転職関連知識

【薬剤師の転職完全マニュアル】情報収集・履歴書・面接で求められるもの『転職活動の手引き』

転職を目指す薬剤師の皆さん、転職活動は順調に進んでいますか?

実際に転職活動を進めていく中で、その方法や判断基準などに迷いが生じてしまったり、解決策が見当たらないといった壁にぶつかってしまったりしていませんでしょうか。

転職活動のプロセスというのは、大きく3段階に分けて捉えることが可能です。

  1. 「情報収集」:候補企業の絞り込み
  2. 「選考試験対策」:書類・面接の対策
  3. 「面接および試験」:実際の選考過程

※ 候補企業の絞り込みの前段階として、転職に失敗しないためにファーマンがおすすめしている「自己分析」のようなプロセスもあるのですが、ここでは一般論としてこの3段階としています

そして、これらの各プロセスにおいては、それぞれに ”注意点” や、うまく乗り越えるための ”コツ” のようなものが存在しています。

そこで今回は、改めてこれらのプロセスについて、より具体的に「情報収集の方法」から「履歴書の書き方」、さらには「面接に向けた対策」に至るまで、どのように考え、準備をしておけばよいのかといった実践的な内容についてお話しできればと思います。

  • 「これから人生初の転職にチャレンジしようと思っている。」
  • 「転職活動を始めてみたは良いものの、これが正しいやり方なのか不安。」
  • 「転職は何度か経験してきたけど、改めて転職活動がうまくいくコツを教えて欲しい。」

そんな人は、この記事を「転職活動の手引き」としてお役に立てていただける内容となっていますので、是非最後までご覧いただけると幸いです。

また本文中では、各プロセスについてより詳しく解説した「当サイトの他の記事」についても随時ご紹介していますので、よろしければそちらも併せて参考にしてみてください。。

それではさっそく参りましょう。

‐ Contents (目次) ‐

転職活動の大まかな流れ

【薬剤師の転職完全マニュアル】情報収集・履歴書・面接で求められるもの『転職活動の手引き』

まずはおさらいとして、「転職活動の大まかな流れ」について確認しておきたいと思います。

今この記事を読んでくれているあなたも、既にネット上などで ”薬剤師の転職情報” などについて調べたりしたことがあるのではないでしょうか。

ネット上にある転職情報などに目を通していく中で、あなたはどんなことを感じましたか。

  • 「なんかどこも同じようなこと書いてるな。」
  • 「結局みんな『転職サイト』を使ってるみたいだけど、実際どれが良いのかな。」
  • 「各転職情報サイトごとに色々と方法が書かれてて、結局どんな進め方が一番良いのかよく解らないな。」

特に、これから初めての転職活動を行う、もしくは既に始めているという人は、このような感想を持たれたのではないかと思います。

そこで、今世の中の転職を目指す薬剤師さんの間で最も主流となっている「転職活動の流れ」をまとめると、このようになります。

  1. ネットで色々と調べてみる
  2. 友人・知人に相談する
  3. 転職サイトに登録をする
  4. 転職サイト担当者とコンタクト
  5. 転職サイト担当者から企業の紹介を受ける
  6. 気になる企業をいくつかピックアップ
  7. 履歴書を作成する
  8. 面接を受ける
  9. 企業側から合否連絡を受ける
  10. 入社決定または転職活動継続

転職活動を行う薬剤師さんの多くが、こうしたパターンで活動を進めているというのが現状です。

もちろんこれ以外にも、「引き抜き」や「紹介」等によって既に転職先の職場が決まっているという場合もあるでしょうが、そうしたケースは非常に稀だと言って良いでしょう。それに、そもそもそういった引き抜きや紹介といったケースの場合には、「転職”活動”」とは言わず、敢えて言うとするのなら「転職”手続き”」と言ってしまった方が正しいのではないかとすら思います。

一方で、「転職”活動”」と呼べるものでも、上記のようなパターン以外の方法というのも存在します。

それが「自力」で行うという方法です。

転職サイトには頼らず、自分の希望(勤務地や労働条件、企業規模等) に合致する企業を自ら見つけ出してきて応募をし、選考過程に臨むというやり方です。

ただ、この方法も非常にまれなケースかとは思いますが、改めて言うまでもなく、あまりオススメできる方法ではありません

なぜなら、全ての行程を自力で行う転職活動というのは、特に今回が初めての転職活動だという人に関して言えば、その進め方に戸惑ってしまったり、勝手が解らずに結果的に準備不足となり、本当は行きたかった企業に不合格となってしまうというような事態をも招きかねないからです。

つまり、転職サイトに頼らず、全て自力で転職活動を進めていくなどということは、非常に ”無謀” で、”非効率” なやり方であるということです。

加えて、情報収集という面においても、やはり自力で転職活動を行う場合の限界というものがあるのも事実です。

転職サイトには、「薬剤師さんの転職に関する知見」、「採用プロセスにまつわる裏情報」などのノウハウが、長年にわたって蓄積されています。

そのため、転職後のミスマッチを防ぎ、できるだけ最短距離で理想の企業にたどり着ける様にするためには、そういった情報網を最大限活用した方が有利と言わざるを得ないのです。

もしもあなたが、「どうしても自力での転職活動にこだわりたい。」というのであれば、もちろん否定はしませんが、それでなくとも仕事にプライベートにと忙しい日々の中で、その道のプロにアウトソースできるものがあるならば、そちらに任せてしまった方が遥かに効率的に転職活動を進めることができ、なおかつ間違いを起こしてしまうリスクも軽減することができるという点で、やはり「転職活動は転職サイトを利用して進めていく」というのが正攻法であると、ここで言い切ってしまいたいと思います。

ただし、これには実は1つだけ ”例外” 的な考え方というのが存在します。

それは、企業側から見たコスト面に関する事情によるものです。

これは転職活動をする薬剤師さん側からはあまり見えてこない部分となってしまっているが故に、普段意識することはほとんどないかとは思いますが、企業側からすると、「採用活動」というのは相当なコストを掛けて行っているものなのです。

転職市場における利害関係者の構図を収益面から端的に説明するならば、転職サイト側は、あなたに自社の紹介によって転職を決めてもらい、転職先企業に新たな戦力としてあなたが入社し、さらに一定期間継続して勤務して初めて、その紹介料として手数料を得ることができる仕組みになっています。

そして、企業側はというと、たくさんのエージェント(転職サイトや人材紹介会社) に対して、料金を支払って求人広告を掲載したり、照会をかけたりした上で、候補者となる薬剤師さんを紹介してもらっているわけです。

この収益構造の中にこそ、”例外的要素” が含まれているわけですが、それは一体何なのか。

それが、「ハローワークからの入社」と、先程お話した「”自力” での就職・転職活動による入社」です。

つまり、多くの薬剤師さんがそうするように、転職サイトなどのエージェントを介して入社のための選考過程へと進むのではなく、もしも ”ハローワークから応募してきて”、または ”直接申し込んで来て” 選考過程へと進んで来た薬剤師さんがいたならば、コスト面だけを勘案すれば、圧倒的にハローワークや直接申し込みの候補者を選びたいというのが会社としての感覚ということになるのです。

これが、転職活動を行う上で、転職サイト等のサービスを利用せず、自力で行う場合の例外的なメリットです。

このような事情から、あなたが転職を希望する候補先企業が、地方の中小・零細企業などで、明確に「この会社」と決まっているのであれば、直接アプローチした方が会社側としてはありがたく、あなたの立ち位置が有利になる場合もあるわけです。

ただし、ここで注意が必要なのが、当然のことながら、不正を働いてはいけないということです。

中には、転職サイトに登録をして、様々な魅力的な求人の照会だけをお願いし、いざ良さそうな企業等が見つかれば、転職サイトなどを通さずに転職試験を受けてしまえば良いのでは、と悪知恵を働かせた人がいるかもしれませんが、そうは問屋が卸しません。

ここでは細かくは書きませんが、結論としては、全てバレてしまいます。

そして、そうした不正を行ったことが、あなたの名前とともに業界に広まり、ブラックリストに名前が載ってしまうことで、今後転職サイトやエージェントの力を借りたいと思ったとしても、それができなくなってしまいます。それどころか、選考過程の途中で不正が発覚した場合などには、そもそもあなたを採用するか否かの判断に悪影響を及ぼしてしまいます。

したがって、企業側のメリットを考えて、「私はあくまで割り切って ”自力” での活動を行っていく。」という方は別として、「情報収集力」や過去の転職支援の「実績やノウハウ」、そして企業に対する「交渉力」などを最大限活かして、理想の職場を手に入れるためにも、基本的には転職サイトを存分に活用した転職活動を行っていくという姿勢で臨むようにしましょう

若干話が逸れてしまいましたが、転職活動の実態についてまとめておくと、

  • 転職したい薬剤師さんの多くが、転職サイトの「情報量」や「ノウハウ」、そして「交渉力」などを活用しながら、効率的に転職活動を行っている
  • 一部独自に転職活動を進める薬剤師さんも存在していて、それが有利に働く場合も稀にある

という風になっています。

続いては、いいよいよ各フェーズごとに「あなたが転職活動で本当にすべきこと」についてお話ししていきたいと思います。

情報収集について

【薬剤師の転職完全マニュアル】情報収集・履歴書・面接で求められるもの『転職活動の手引き』

「転職しよう!」と決意してから、まずやる事はといえば、やはりスマホやパソコンで色々と調べてみるということではないでしょうか。つまり、情報収集」ですね。

今やこの点に関しては非常に恵まれた環境にあると言って良いでしょう。いつでもネットに繋がっていて、一般的な転職情報を簡単に入手できる上に、個人が自由に発信できるSNS等の発達により、転職経験者の「生の声」や地域ごとの「ローカルな情報」でさえ確認することが可能です。

当然、間違った情報やフェイクニュースといったものには十分に気を付けて情報を取捨選択をしていく必要はありますが、現代社会においては、ある意味でネット上に存在していなければ、そのものが存在していないかのような扱いを受けてしまうこともしばしばです。

食事に行くお店をネットで調べるといった際にも、以前行ったことのあるおいしいお店を再訪しようとネットで調べてみた所、Webサイトの情報や各種グルメサイトにも掲載がなく、「あれ?潰れちゃったのかな。」と諦めて違う店を探す、なんていう経験がある人もいるのではないでしょうか。

こうした現象を「薬剤師さんの転職活動」という視点から見るとどうでしょう。

やはり同じことが言えるかと思います。

つまり、”転職サイトありき” での転職活動が一般化してきている中で、転職サイトに求人情報が載っていない会社や医療施設というのは、この世に存在していないものと同じという扱いを受けてしまうのです。

もちろん、数ある転職サイトごとに、「a社は、転職サイトAでは求人の取扱いがあるけれど、転職サイトBでは掲載されていない」というような差は出てくるため、ファーマンでは、『転職サイトへの登録は複数行うべし』ということを口を酸っぱくしてお伝えしているわけですが、この「転職サイトに存在するということの大切さ」というのは企業側も強く認識しています。

したがって、やはり転職を目指す薬剤師さんは、「転職サイト」を積極的に利用すべきだということが言えるのです。

理由は当然、「人材紹介のプロ」、ひいては「 ”薬剤師転職” のプロ」の力を借りるということが、薬剤師さんが転職を成功させるためには非常に有効な手段であるということに間違いはないからです。

もしかすると、うがった見方をして「転職サイト側も商売だから、こっちの希望なんてお構いなしに自分たちの利益優先で、変な会社を紹介してきたりするんじゃないの。」と考えてしまう人もいるかもしれませんが、そこはこちら側の姿勢、そして ”使い方” 次第です。

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そして中には、「そもそも転職サイトの担当者とのやり取りが面倒。」と感じる人もいるかもしれませんが、こういった人たちに対する答えは自明です。

「そんな人は、転職で理想の職場を見つけることは諦めた方が良い」ということです。そんな感覚の人が、理想の職場を手に入れることなど、不可能です。

転職情報サイトによっては、「あなたは何もする必要はありません。全て転職サイトがやってくれます。」というような無責任な事を言う所もありますが、ファーマンはあえて言います。

転職活動を成功させたいのであれば、真摯に、真剣に、「理想の職場で働きたい!」という想いを強く持って、誠心誠意、転職活動に取り組んでいってください。

転職サイトとのコンタクトが面倒だと言っている様な人が、自力での転職活動を進めていったとしても、さらに面倒なやり取り、手続きが待っているだけです。

転職サイトを利用すれば担当者がやってくれるような、企業側への採用プロセスに参加するための各種手配や、実際に企業にアプローチする前後の対応など、全てをあなたの手で処理していかなければいけなくなるわけですので、本末転倒です。

実際、ファーマン自身の経験でも、面接に来た薬剤師さんに随行してきたキャリアアドバイザーの方から聴いた話として、やはり「熱心に転職活動に取り組んでいる人の方が、内定獲得率も高い上に、転職後の満足度も非常に高い傾向がある。」という ”裏情報” を耳にしたことがあるぐらい、転職活動に対する真剣さと成功確率の相関性は高いというのは、納得の行く事実だと感じています。

したがって、まずは自分でネット上で色々と調べてみたり、周りの人に話を聞いたりしてみるのも大切ですが、やはりその「情報量」と「経験値」などを客観的に捉えた場合には、転職サイトを利用しない手はないというのが現実だと言えるでしょう。

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転職サイトについて

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では、「転職サイト」を活用していくとして、具体的にはどのように動いていけば良いのでしょうか。

これは、難しく考える必要は全くありません。

あなたが「私が持っている、理想の職場に対する条件を満たした転職先を紹介してもらえそうだな。」と思えるような転職サイトを見極め、そう感じたいくつかの転職サイトに登録を済ませれば、あとは素直に ”力を貸してもらう” という感覚で ”使い倒して” いけば良いだけです。

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ちなみに、先ほどの転職市場の収益構造の話でも少し触れましたが、転職サイトの利用は、薬剤師さん側はどれだけサービスを使おうとも全て ”無料” で利用可能です。「タダほど高いものはない。」とか、「何か裏があるんじゃないか。」と疑ってしまう気持ちも、正直解らなくはありませんが、薬剤師さんに限らず、一般の転職も含めて転職市場のビジネスモデル自体が

  • 採用される側(求職者) の利用:無料
  • 採用する側(企業) の利用:有料 (この手数料が転職サイトなどの仲介業者の利益となる)

となっているだけですので、安心して利用して大丈夫です。

特に、転職について右も左も解らないという初めての人に関しては、まずは素直にいくつかの転職サイトを利用してみられることをオススメします。

「自分が理想の職場をゲットするために使えるものは何でも使ってやる!」ぐらいの、良い意味での”図々しさ”を持って、積極的に取り組んで行くようにしましょう。

「じゃあ、私はどの転職サイトを使えば良いの?」

これについては、当サイトでも様々な角度から整理した記事がありますので、よければ是非そちらも参考にしてみてもらえればと思います。

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『履歴書』および『面接』について

【薬剤師の転職完全マニュアル】情報収集・履歴書・面接で求められるもの『転職活動の手引き』

いろいろと情報収集をし、友人・知人・転職サイトの担当者等とも相談をして、自分の理想の職場の条件とも照らし合わせた上で、ある程度行きたいと思える会社・医療施設等が絞れてきたら、いよいよ選考プロセスへと入っていくことになります。

そして、その第一歩となるのが『履歴書』です。

この「履歴書」については、ここでは「経歴」や「保有資格」などの定型的な記述部分について詳細にその書き方等を解説するということはしません。

そういった箇所は事実に基づいて書くしかなく、説明も不要ですし、採用の合否を左右する様な”細工”を施しようもありません。(むしろ、ここに事実と異なることを書いてしまえば、”経歴詐称”にもなってしまいますからね。)

ここでは、それよりももっと大切な「転職を希望する会社にはどんな履歴書を持って行くべきか。」「面接では、その履歴書をもとにどんな対応をすれば好印象を与えることができるのか。」、といった観点からポイントをお話していきたいと思います。

私がこれまで何人もの薬剤師さんを採用してきた経験から、「やっぱりこんな人は採用したくなるよね。」とか、「今の人、印象良かったな。」と感じる人は他の人と何が違うのか、採用する側としてどういった要素が満たされていれば、”良い印象”に繋がるのかといった部分について、率直にお伝えしていければと思います。

採用者側の不安を排除し安心感を与える

面接を受ける側が、採用してもらいたいという気持ちが強ければ強い程、「あれもこれもアピールしなきゃ。」と、少し前のめりになり過ぎてしまう気持ちはとてもよく解ります。でもまずは、次のことを認識しておきましょう。

”採用する側もあなたと同じ人間” だということです。

面接担当者が何かのきっかけであなたに苦手意識や嫌悪感を抱いてしまったら、採用選考という場においては当然ネガティブ要素として評価に響いてしまいます。

もちろん、採用担当者側は、基本的には冷静に、客観的に見ようという意識は持っています。

しかし、人事部が確立されていて、その組織における人事戦略がしっかりと練られ、”欲しい人材像”が明確になっている場合などは良いですが、全ての会社がそうではありません。

むしろ、中小・零細企業を中心とした日本企業の大部分においては、そういった大規模な体制の人事システムが整っているわけではなく、多くの場合、採用担当者の”感覚”で決まってしまうという面も否定することはできません

それでは、そういった環境の中で、あなたがまず最初にすべきこととは何か。

それは、大きな声で挨拶をしたり、入退室の礼儀作法などに気を配るといったことではなく、さらには、自分のアピールポイントを声高に主張することでもありません。

何よりも先に、

面接官に安心感を与える

ということが非常に大切になってくるです。

別の言い方をすれば、面接官があなた(採用候補者)にまず感じるであろう不安要素を取り除いてあげるということが非常に大切なポイントです。

もちろん、これは何も、あなたに何か原因があるためということではありません。面接官からすれば、どんな人が面接に現れようとも、まず潰しておきたい要素というのが存在するのです。

面接者を迎え入れた時、面接官はこんなことを考えています。

  • 「これまでに大きな揉め事を起こして辞めたりしていないか。」
  • 「人柄的に、ウチの社風に合うか 他の従業員とうまくやっていけそうか。」
  • 「通勤や労働条件に無理はないか。」
  • 「すぐに辞めてしまうようなことはないか。」

履歴書には、当然これまでの経歴が書かれてあるわけですが、そこには「年/月」も記載されています。この「入社時期」と「退社時期」が非常に短い場合など、採用する側としては「何かあったのかな?」と気になる部分があるということも多々あります。

ただ、当然これも、不運な事に入社後すぐに会社がなくなってしまったり、家族の不幸ややむを得ない事情等、特別な理由がある場合については何も問題ありません。

しかし、2社、3社と特段やむを得ない事情等が無いにもかかわらず、同じように非常に短期間で退職しているような状況が読み取れる場合、やはり採用する側の不安要素は大きくなります

  • 「精神的に不安定な要素を抱えているのではないか。」
  • 「周りの人間とうまくやる能力が著しく欠けているのではないか。」
  • 「(シンプルに) 異常な程に仕事ができないのか。」

と、採用担当者は様々な想像を膨らませてしまうことになるわけです。

したがって、やむを得ない事情等によって短期間で転職を繰り返してしまったことがある場合などは、なるべくなら自発的にその理由を説明しておくようにしましょう。

言いたくないことまで言う必要はありませんが、可能な限り説明を加えてあげることで、面接官は安心感を抱くことができるようになるわけです。

さらに、これは「労働条件」の面においても同じです。

「通勤時間が少し長いな(自宅から勤務先が遠いな)。」と感じるような距離であれば、そこについてもしっかりと「無理なく通える。」ということを説明します。

また、配偶者の仕事の都合や子供に関する時間的な制約等についても、可能な限り詳細を伝えておくようにしましょう。

これらの条件は、会社側にとっては当然把握しておかなければならない情報ですし、一定の事情があって休みが必要なことが予め判っているにも関わらず、入社後になってその休みに対して「やる気がない。」などと、間違った評価がなされてしまうようなことがあると、あなたにとっても会社にとっても不幸な結果になってしまいます。

「自分の生活を守る上でやむを得ない、譲れない事情は素直に話した上で、調整が可能な部分については会社を優先していくような姿勢も示す。」ということが大切です。

採用する側からしてみると、入社を希望する人から、”理由もなく”労働条件面でこと細かに自分の都合を押し付けて来られたりすれば、当然印象は良くはありませんので、しっかりと説明を加えてあげる。でも、かといって、嘘をついてまで「100%会社に貢献できるよう尽くします。」というようなアピールをしてしまうのも、先程の話と同様、後々に会社にとってもあなたにとっても不幸な結果を招いてしまうことになりますので、それは絶対にやめておきましょう。

面接に臨む際には、「採用する側」と「入社を希望する側」でそれぞれ、

  • 採用する側:一生懸命働いて会社の成長に寄与してくれる人材が欲しい
  • 入社する側:自分の都合に合わせた働き方がしたい

という「根本的な思考の隔たり」が存在するということを改めて理解し、”硬軟織り交ぜた”形で話をしていくのが理想です。

自分が譲れない部分についてはやんわりと主張をしつつも、「御社が理想とする人物像にも近いんですよ。」ということを「仕事への積極的な姿勢」を示すことでアピールしていくということができれば完璧でしょう。

「そんな難しいこと、できそうもない。。」

はい。そりゃあそうですよね。

言うのは簡単ですが、実際のコミュニケーションの場でこれを実践するとなると、”面接”という場の緊張感なども相まって、非常に難しく感じてしまう人もいるでしょう。

そう感じた人は、もう少しシンプルに、今お話ししたことも参考にしつつ「相手(企業側の面接官) が不安に感じそうな部分はどの辺りだろう。」という風に自分なりに想像してみて、そこをなるべく補足してあげた方が面接官の印象は良くなる、と考えておけば良いでしょう。

このように、面接官である企業側の担当者に安心感を与えてあげるというのは、いわば”守り”の戦術と言えるものになります。

では続いては、その反対、”攻め”についてもみていきましょう。

「武器」か「心理戦」で合格!

採用する側の考え方を理解し、まずは採用担当者が不安に感じてしまいそうな部分について、こちらから補足説明等を加えてあげることで、その不安を解消しておいてあげるということができれば、次はあなたが持っている”ポジティブな要素”をアピールしていく番です。

この点は、そもそも日本人は往々にして自己アピールが下手なところがあるというのはよく言われている所でもあり、さらに難しく感じる人も多いかも知れません。

日本語に「謙譲語」というものが存在していることからも解るように、日本人は、自らの実力や功績を大っぴらにはアピールせず、相手を敬い、謙虚に遜(へりくだ) るような姿勢を美徳とするという、”DNA”を持っているためです。

一方、外国人ビジネスマンの多くは真逆です。時には大袈裟だなと感じるほどに、自分の実績や能力をアピールするのが”上手”な人がたくさんいます。(実際に目の当たりにしたこともあります。)

もちろん、「だから日本人はダメなんだ。」と言うつもりは毛頭なく、それはそれで姿勢として”美しい”とも感じますが、要は、こと面接という場においては、この”日本人としての奥ゆかしさ”的要素を出している場合ではないということです。

最後はやはり、

  • 「御社にとって、自分はこんなに魅力的な人材なんですよ。」
  • 「私を採用したら、この会社に絶対大きなメリットがありますよ。」

という部分を強く訴えていく必要があるわけです。

そのために必要なものは何かと言えば、会社から見て「是非あなたが欲しい。」と思わせるような『資格や経験』、もしくは、そう思わせるような『感情』です。

この2つについて、前者の『資格や経験』というのは解り易いですね。いわゆるあなたの『武器』となるものです。

その会社が求める人物像に必要とされるような「知識」や「これまでの仕事上の実績」などを有していれば、やはり合格するには非常に有利になってきます。

問題は、そういった「知識」や「技能」、「経験」といったものは持ち合わせていないけれど、どうしてもその会社に入りたいという時です。

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上記記事中でも、面接時のポイントについてお話していますが、そういったアピールポイントをなかなか見出せない、うまく探し出すことができないといった時にはどうすれば良いのか。

そんな時は、『心理戦』に持ち込みます。

つまり、どうすれば面接官に自分に対して良い印象を抱いてもらうことができるかということを、”別の切り口”から考えてみるのです。

人は、楽しい時間・場を共有した人たちとの関係性をポジティブに捉えます。

趣味の活動や会社でのレクリエーションなどで、その場が楽しいと感じた時、そこにいた人たちに対しても良い印象を持ち、誰しもがまたこの人たちと楽しく過ごしたいと思いますよね。

この心理を利用するのです。

そして、これを面接に応用する際のキーワードは、”盛り上がり”です。

具体的な実践方法を解説しておきましょう。ポイントは次の2点です。

  • 拡げやすい話題を用意しておく
  • 相手の土俵に入り込む

これらがうまくできて、結果的に面接の場が”盛り上がる”と、あなたの印象は間違いなく良くなり、面接担当者は「この人と一緒に働きたいな。」という気持ちになります

「そんなに簡単にいかないよ。」と侮(あなど)ることなかれ。前章でもお話しした通り、”採用する側もあなたと同じ人間”なんです。

当然、「清潔感のある印象を与える。」とか、「笑顔で話す。」、「履歴書に書いてあることに対してはっきりとした受け答えをする。」というように、面接での基本要素は必須ですが、あなたが発言権を握った時にはすかさず、それまでの仕事上の経験談やプライベートな話でも構いませんので、積極的に話を拡げていける様な話題を準備しておくようにしましょう。

「仕事上の悩みあるある」や「趣味」の話など、共通点を見出しやすい話題をさりげなくいくつか話す中で、相手が反応した内容を拡げていき、会話を盛り上げようと努力するのです。

結果的に相手の土俵に持ち込むことができて、気が付けば「面接官が自分の経験談や好きな分野について話しているのを延々聞いていただけ。」なんていう状況になれば、もうこっちのものです。

心理戦を有利に進める上でもう一点大切なポイントがあります。それは、「できる限り相手に話させるように持って行く」ということです。

つまり、「聞き上手」になるということです。

人は、相手の”話を聴いて共感した時”よりも、自分が気持ちよく”話している時”にこそ相手に良い印象を覚えやすいと言われています。

面接で面接官が延々と話しているというのもおかしな話ではありますが、それぐらいを目標にできれば良いですね。

事前に想定問答集やQ&Aを自分で作ってみてシミュレーションを重ねるなど、対策を万全にして「”面接を盛り上げる”にはどうするか。」という意識で臨むようにしましょう。

緊張しやすいタイプの人や、口下手な人には若干ハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、想定問答集をいくつも作ってみて練習するというぐらいは誰でも一人でできることですので、是非やってみられることをオススメします。

何社か面接を受けていく中で、毎回そういった準備を重ねていくと、なんとなくコツを掴めてくるようにもなるかと思いますので、一度トライしてみてください。

最後に一点だけ付け加えておくと、これも改めて言うまでもないことではありますが、「是非とも御社に入社したいんです。」「御社でこんなことに取り組みたいんです。」といった”熱意”を示すということも、基本的な事ではありますが、大切なことですので忘れないようにしましょう。

上記でもご紹介した通り、「面接」でのポイントについては、

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こちらの記事でも詳しく解説していますので、是非併せて読んでみてください。

まとめ

以上、お疲れさまでした。

今回は転職を目指す薬剤師さんへ向けて、「転職マニュアル」として、その流れや各プロセスにおけるポイントをまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。

転職経験者の方であれば、「いやいやそれは違うよ。」と感じる部分などももしかするとあったかもしれません。

もちろん、今回ご紹介した流れや進め方のコツが絶対的な”正攻法”であるとは限りませんから、この記事を読んでいただいたあなたには、これを参考にしつつも、自分の”必勝パターン”を作り上げていってもらいたいと思います。

最終目標は、あくまでも『理想の職場に転職する』ということですので、そこは絶対に見失うことなく、ここからの転職活動に一生懸命取り組んで行ってください。

応援しています。

それでは。

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