コラム

【コラム】薬剤師が患者に対して継続的に服薬指導することを義務付け

薬局勤務の薬剤師に、患者に対する服薬指導の義務化のニュースです。

厚生労働省は、薬を処方した患者に対する服薬状況や副作用等について、薬剤師が必要に応じた形での確認を継続的に実施し、指導をしていくことを義務化する方針を固めました。早ければ2019年秋にも開会予定の臨時国会での成立、2020年の施行を目指すとしています。

昨年末の2018年10月、厚生労働省医薬・生活衛生局は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会に対し、医薬品医療機器等法(薬機法)改正において、医師との連携によって服薬後の継続的な服薬状況の把握・指導を行うことを、法令上で基本機能として位置付けることを提案していました。

さらに、個別の薬局においては、在宅医療に積極的に取り組んでいたり、抗がん剤などの高度薬学管理機能を有する場合において、それぞれを分類した上で、各薬局の位置づけを明確にする考えも示していました。

これにより、旧来型の経営、つまりは処方箋枚数を追求するだけというような”売上至上主義”的な調剤業務主体の保険薬局は生き残りが厳しくなるであろうことが予想されています。

また、こうした薬局の機能面での改革のみならず、2020年度以降の調剤報酬改定においても、各薬局におけるそうした機能性に応じた評価というものも加味される形での報酬改定が見込まれています。

今回の義務化では、従来から指摘されてきた薬を服用後のチェック体制など、本来業務の部分が不十分であるとの観点から、法改正によって職務をより明確にし改善を促す考えで、治療の効果を高め、副作用等の防止にもつなげていこうとする方針です。

具体的には、服薬の用法用量について、1日3回とされているものが守られているかどうかや、患者に対して薬剤師が直接電話をして容体の変化等を確認するなどし、改めて医師とも相談した上で処方の方針を適宜検討していくといったことが求められていくと見られています。

一方、こうした動きには薬の種類を減らしていくという効果も期待されています。

高齢者の場合、薬の種類が増えることで健康被害などの有害事象の発生増加につながっているといったデータも出ている上に、年間500億円規模で残薬が発生しているとも言われており、それらが保険料や税金で賄われる医療費の無駄を生み出していると指摘されていることから、適切な服薬指導によってそうした無駄を減らし、医療費の削減へと繋げようとされているのです。

今後、薬局経営の現場においても、薬剤師不足が叫ばれる中でも、どのように工夫してそうした業務分担を行っていくかといったことの検討が必要になってくるものと思われます。

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