コラム

【コラム】薬局勤務の女性が亡くなったのはパワハラが原因「遺族が提訴」

2016年に、薬局に勤めていた女性が自殺したのは、会社側(社長や上司)からの「パワハラ」が原因だとして、遺族が損害賠償を求める訴えを起こしました。

亡くなった女性は2014年10月から、正社員としてこの調剤薬局に勤務し、処方箋の入力などを担当していました。

業務中に社長や上司複数名から些細なミスを長時間にわたって叱責されたり、突き飛ばされたりなどのパワハラが行われていたと言い、社員旅行の際には、女性の他2名のメンバーと共に幹事に選ばれたものの、女性を除く2名が退職したため、ほぼ1人で準備を進めていたそうで、帰宅が深夜になることもあったと言います。

その後女性は、母親に対して「仕事のことを考えると緊張して寝付けない。」と漏らすようになり、亡くなる直前には「息をするのもしんどい。上司が怖い。」と話し、沈んだ様子で「うち、(仕事)できんかった。」と泣いていたそうです。

遺族は2016年11月に、労働基準監督署に労災を申請しましたが、労基署は上司が攻撃的でその言動に女性が憔悴していたとする事実は認定したものの、その心理的負担は強くなかったとして、労災を認めませんでした。遺族は再審査を請求中です。

今回訴えを起こすにあたり遺族側は「閉鎖的な空間でパワハラが横行し、精神的に追い詰められた。」と主張しています。

厚生労働省の調査では、従業員が99名以下の中小企業の半数以上において「パワハラの相談窓口」といったものが設置されていない状況で、会社側が問題を把握できていないケースも多いとされています。遺族の代理人を務める弁護士は、「小さな会社で逃げ場もなく、社内で相談できなかったという環境が問題だった。」と指摘しています。

薬局という職場は、規模にもよりますが、その多くが非常に少人数の体制で運営されています。遺族の方や代理人弁護士が主張しているように、”閉鎖的な空間で逃げ場がなかった”というのは実際に小さな調剤薬局で勤務経験のある人であれば、容易に想像ができることです。

数少ない職場のメンバーである上司や社長といった人からパワハラなど明らかに不当な扱いを受けていると感じた時、抵抗したり、すぐに退職したりと冷静に判断できるような人であれば心配はあまり必要ないかもしれませんが、「自分が悪い。」と自分を責めてしまうタイプの人というのが最も危険です。

もしも職場の人間関係などで違和感を感じたり、「なんで私はこんなに仕事ができないんだろう。」「私はいつも怒られてばかりで使えない。」などと自分を責めてしまうようなことがあれば、家族や友人など身近な人で、自分が率直に話ができるような人を探して、現状を話してみるということをしてみましょう。そうすれば、周りの人は必ず手を差し伸べてくれるはずです。

何事も自分ひとりで思い詰めてはいけません。精神的に追い込まれ、正常な判断が出来なくなってしまう前に、心の声を吐き出し、信頼できる相手の言葉に耳を傾けるようにしてほしいと思います。

パワハラの相談窓口

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