薬剤師の皆さん、こんにちは。
当サイトでは、薬剤師さんが転職をする際に気になるポイントについて色々とご紹介していますが、
- 『【薬剤師のための失敗しない転職活動】転職理由を突き詰めよ!はじめが肝心!「始め方」から「転職サイトの使い方」まで』
- 『【薬剤師の転職完全マニュアル】情報収集・履歴書・面接で求められるもの『転職活動の手引き』
このような転職活動にまつわる「考え方」や「気になるポイント」というのは、結局のところ「転職に失敗したくない。」という大きな不安から生まれてくるものです。
でも、この「転職に失敗する」というのは、具体的にどういった状態のことを言うのでしょうか。
それは例えば、「転職によって、結果的に転職前の職場より悪い職場に移ってしまった。」とか、「理想的だと思っていたはずの会社で、入社後に期待外れな部分が多く出てきてしまった。」というような状態でしょう。
つまり、転職先の企業・医療機関という組織が、転職前に自分が描いていた理想の職場とは違っていた、という状態のことを「失敗」と言うことができるのではないかと思います。
そこで今回は、そんな「失敗」を避けるため、そして、転職活動に付きまとう様々な不安をなるべく早い段階で解消しておくためにも、「転職活動で失敗しないためのポイント」ということで、5つにまとめてご紹介していきたいと思います。
転職に際して様々な不安を抱えているあなたも、これを読めば迷うことなく転職活動を進めていくことができるようになりますので、是非最後までご覧ください!
‐ Contents (目次) ‐
転職で失敗しないための5つのポイント
早速ですが、質問です。
冒頭、「転職に失敗する」とは具体的にはどういうことを意味しているのかというお話をしましたが、今度は「転職に失敗したくない!」という発想の”逆”、「転職を成功させる。」という意味について改めて考えてみましょう。
あなたが転職活動を終え、無事に次の職場へと移り、仕事にも慣れ始めた頃、どんな感覚を持つことができていれば、「今回の転職は、成功だった。」と言えると思いますか。
自分に問いかけながら、少し考えてみてください。
もしこれにはっきりと答えられなければ、是非『【薬剤師のための失敗しない転職活動】転職理由を突き詰めよ!はじめが肝心!「始め方」から「転職サイトの使い方」まで』も参考にしてもらいながら、しっかりと自分の中で”突き詰める”という作業をしてもらいたいのですが、この「答え」こそが、あなたの中での「成功の定義」とも言うべきものであり、いわば転職活動を進めていく上で非常に重要な、あなたが目指すべき「目標=ゴール」となります。
そして、これからここでお話する内容というのは、そのゴールを目指す過程で実際に転職活動を進めながらも心に留めておくべきあなた自身の「行動指針=ルール」のようなものだと思ってもらえればと思います。
料理をすることは誰にでもできます。でも、おいしい料理を完成させるためには、そのための技術や知識、経験といったものが必要になるでしょう。車を運転するにしても、運転自体は免許さえあれば誰にでもできます。でも、上手に運転したり、速く正確に車を走らせるためには、やはりそれ相応の技術や知識、経験が必要となってきます。
転職活動にもこの”技術や知識”の部分にあたるものが必要だということですね。
転職活動は誰にでもできます。でも、転職活動を”成功させる”ためには、そのための”技術や知識”、いわばちょっとした”コツ”のようなものを押さえている必要があり、それがあなたの「行動指針=ルール」になるということです。
転職で失敗しないための5つのポイント
1、転職活動に遠慮は禁物
2、最も譲れない部分を明確にする
3、自分の中での条件をブレさせない
4、転職前に会社を調べ尽くす
5、面接は”技術”で合格を掴み取る
これが今回ご紹介する「転職で失敗しないための5つのポイント」です。
これらをしっかりと押さえた上で転職活動を進めていくことで、あなたの転職活動を成功へと導くことができるようになります。
1つずつ見ていきましょう。
転職活動に遠慮は禁物
まず初めに、このことを肝に銘じておきましょう。
「転職活動に遠慮は禁物」です。
転職活動では、転職先企業の選考プロセスに入るまでにも、転職サイト担当者や転職エージェントとの様々なやりとりが必要になってきます。
そういったやりとりの際に、やれ「(転職エージェント)担当者に申し訳ないから。。」とか、「こんなことを言ったら(担当者に)嫌がられるかな。。」などと余計な心配をする必要はありません。「転職サイトの担当者にだけは、何を言っても許される。」ぐらいに思い込んでしまって、自分が希望する条件を少しずつでもぶつけていくようにしましょう。
「理想の職場を手に入れるために必要な情報はなんとしてでも手に入れ、自分が起こせるアクションは全て行動に移していく。」というぐらいの積極的な姿勢が大切です。
そうは言っても、「私は気が弱くて。。」「言いたいことをはっきり言うのは苦手で。。。」という人もいますよね。
そんな時は、転職サイト・エージェントとうまく協力し合いながら、少しずつ前進していけば大丈夫です。
あまり自分の意見をハキハキとは話せないタイプの人でも、転職サイトの担当者に少しずつ悩み事などを話し、細かな要望にも応えてもらいながら転職活動を進めているうちに、本当にその担当者と友達になっていたなんていうケースも実際に存在しますので、まずはあなたが少しずつでも心を開いて、想いを伝えていくようにしましょう。
逆に、あなたにとって「この人、ちょっと相性が悪いかな。」と思うような担当者がいたとしても、心配はいりません。最初はとっつきにくかった担当者と徐々に打ち解けていくこともあれば、担当者変更を申し出ることも可能です。
また、相手(転職サイト担当者)側からしてみれば、そもそもあなたの存在は”お客様”です。
転職サイトというのは、あなたに転職先を紹介し、それが結実することで、転職先企業から手数料が入るというビジネスモデルで利益を生み出しているわけですので、あなたに転職を決めて欲しいというインセンティブを元々持っています。
転職サイト担当者の中には、「薬剤師が自分の紹介した企業を気に入ろうが気に入らまいが関係ない。」「とりあえずどこかへ入社してくれれば儲けもの。」と、こちらの意思を汲んでくれない様な残念な人も、もしかするといるかもしれません。
そういった担当者につかまってしまわないためには、しっかりと転職サイトを見極めることも大切です。
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したがって、頼りがいのある転職サイトを利用するようにしましょう。そして何より、あなた自身がその担当者をしっかりと信頼して取り組もうとする心構えを持つということが非常に大切です。
当然、転職サイトの担当者も一人の人間です。自分の営業成績(担当している転職希望者(あなた)に転職を決めてもらうこと)も気になるでしょうし、逆に担当している薬剤師さんには気持ちよく転職してもらった方が良いに決まっています。
ですので、自分では積極的に転職活動を進めていく自信がなく、転職サイトの担当者に頼らざるを得ないという方は、まずはしっかりと、「(担当者に対して)あなたを信頼して転職活動を進めていき、最終的には転職を決めます。」という意思を表すようにしましょう。
もしもあなたが、いつまで経っても「あの会社が良いかな。それとも、こっちの会社の方が良いかな。」などと煮え切らない態度を取り続けてしまっていたら、やはり担当者も「この人、本気で転職する気あるのかな!?」と疑いたくもなるでしょう。
もちろん、あなたがいろいろと考えた結果、最終的に転職しないという決断を下すこともあるでしょう。でも、そんな時でも、それを”はっきりと”伝えてあげるということが大切なのです。
ここで言う、「遠慮しない」というのは、転職活動全体を通した姿勢のことを指しているわけですが、転職サイト(担当者)の活用という意味においても非常に大切な事なのです。
少しでも余計な「遠慮」が生まれてしまうと、最終的には「ボタンの掛け違え」や、あなたと企業との「ミスマッチ」といった不幸な結果を招いてしまうことになり、結局また転職したいと思うようになってしまうだけです。
今後また何度も転職を繰り返すような羽目に遭わないためにも、今回の転職活動の基本姿勢としては、「ここが勝負どころ!」「一生に一度のターニングポイントだ!」と捉えるようにし、誰にも遠慮することなく、自分の理想の職場を手に入れるんだ、という強い意思を持って臨むようにしましょう。
自分が最も譲れない部分を明確にする
続いて2つ目のポイントですが、これは転職活動を失敗させないための”核心部分”とも言うべき非常に大切な要素になりますが、
「自分が最も譲れない部分を明確にしておく」
ということです。
今回ご紹介する5つのポイントの中でも最も大切で、これを抜きにして転職活動の成功はあり得ないと断言してしまっても良いぐらいです。
この「最も譲れない部分」の見つけ方、詳細等については、『【薬剤師のための失敗しない転職活動】転職理由を突き詰めよ!はじめが肝心!「始め方」から「転職サイトの使い方」まで』の中で丁寧に解説していますので、是非一度目を通してもらえればと思いますが、やはり転職活動を進める中で湧き出てくる様々な迷いの中で、あなたが常に拠り所にできる、自分自身の「最優先事項=絶対に譲れない部分」というものを明確にしておくということが、転職を成功させるためには不可欠です。
あなたが抱えている職場での悩み、今の職場が嫌になってしまった原因といったものを、一旦”たな卸し”し、自分の感情、思考を整理整頓してみるようにしましょう。
今まで感じていた職場に対するぼんやりとした不満・不安といったものに改めて正面から向き合い、1つか2つの絶対に譲れない条件にまで落とし込んでいきます。
これがしっかりとできていれば、もう職場探しで迷ってしまう心配はいりません。
もちろん、人間は成長していく生き物ですので、今後も何かしらのきっかけでその価値観に変化が生じ、絶対に譲れないという優先順位も違ったものになってくることも考えられます。
でも、むしろそれは歓迎すべき事だと思います。自分の価値観に変化が生じている瞬間というのは、つまりは自分が”成長している瞬間”だと捉えることもできるからです。
今まで自分が重視していたことや、大切だと思っていたことが、人生経験の中で様々な”学び”や”気付き”を得ることで変化する。それはまさにあなたが成長の真っただ中にいるという現れなのです。
ただし、それまでの自分から一段上の自分へとステップアップしようとしているそのような時に非常に大切になってくる作業というものが存在します。
それが、ここでのテーマである、自分の考えや優先順位、つまりは”最も譲れないもの”を自分自身の中で明確にしておくということなのです。
自分の価値観が変化しようとしている時に、それをぼんやりとしたままにしてしまっては、自分の進路とすべき方向を見定めることができません。
自分の価値観を客観的に捉え、「自分はこういう生き方を望んでいるんだ。」ということを明確にした上で、その価値観に沿って人生の様々な選択を行っていく。
転職を考え始めた今このタイミングを好機と捉え、あなたが今後進むべき”道しるべ”(=「あなたが絶対に譲れないもの」)をはっきりとさせておくようにしましょう。
自分の中での条件をブレさせない
3つ目のポイントは、前章でご紹介した「譲れない部分の追及」の次のステップになる部分ですが、
「条件をブレさせない」
ということです。
先ほど、人は成長するので価値観も変化して当然で、いろいろと不満などが出てくる時というのは、チャンスでもあるといったお話をしましたが、ここで大切なことは、ある時点における”不満”や”自分の考え方”といったものを整理し、譲れない部分が明確になった以上は、それをブラしてはいけないということです。
つまり、一旦どこかではっきりと確定させるタイミングというのを設けておかないことには、いつまでたっても周りの情報や自分の感情・思考といったものに振り回されてしまうことになります。
「遠慮は禁物」の章でもお話ししましたが、あなたの希望条件があっちへこっちへと迷走し、毎回言っていることが違うという様な事になってしまえば、最終的には、もはや本人ですら正解が解らない、正しい判断ができないという状況になってしまいます。
これは冗談のように聞こえるかもしれませんが、自分が考えていることが自分自身でもよく解らないというのは、考えが深まれば深まるほど、現実に起こり得ることです。
特に、日頃から「自分自身と向き合う」ということをしていない人は、自分自身について色々と考えるということに慣れていません。したがって、自分にしか出せない答えを、自分でもどうやって導き出していけば良いのか解らないという状態に陥ってしまうのです。
当然ですが、あなたの望むこと、叶えたいこと、心の奥底にある感情と言うのは、あなた自身にしか導き出すことはできません。
導き出すための方法は色々あります。
とことん自分と対話をすることでそれを手繰り寄せる人もいれば、誰かに悩みを打ち明けたり、相談したりといったアウトプットを繰り返すことで徐々に自分の思考、感情が整理されるという人もいるでしょう。尊敬する人の言葉や歴史に学び、触発され、影響を受けて自分の指針が見つかるという人もいるかもしれません。
いずれにしても、転職活動を進めようとしている現時点において、あなた自身が、あなた自身の中から見つけ出した条件というものは、もうブレさせてはいけないということを肝に銘じておくようにしましょう。
この核心部分をブレさせないことで、次の転職先を迷いなく選定できるようになり、”ミスマッチ”という最悪の結末を回避することができるのです。
転職前に会社を調べ尽くす
さて、ここまでのポイントは、いわばあなた自身の中で解決しておくべき課題ともいえるものでしたが、4つ目のポイントはいよいよ企業へ向けたアプローチへと移っていくこととなります。
4つ目のポイントは、「会社を調べ尽くす」ということです。
一見、「何を今さら、当たり前のことを。」と思われたかもしれません。でも、ここが疎かになっている人が現実にはたくさんいます。
本当に酷いケースでは、ネット上に公開されているような、その会社の基本的な情報すら頭に入っていない状態で、ノコノコと面接へ向かう人すらいるというのが現実です。
あなたも心当たりはありませんか?
書類選考や面接で、会社に対する”想い”をアピールするため、そして何より、あなたがその会社の表面上の情報に踊らされてしまい、実際に入社した後になってミスマッチが発生して後悔をしてしまうといったことが無いように、できる限り詳細に調べ尽しておくようにします。
企業の情報と言えば、今や地方の零細企業ですら自社のWebサイトを持っていないのが珍しいぐらいの時代ですので、まずはネットで調べてみるという人がほとんどでしょう。
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転職したい薬剤師に贈る【会社の調べ方】気になる会社を丸裸に!「企業分析」
「私の会社はこんな会社です。」 あなたは、そんな風に”定性的・定量的”両側面から自分の会社(研究施設・医療機関等を含む。以下同じ。)について話をすることができますか? 定性的:数字で表せないような物事 ...
でも、上場企業の様な一部の大企業であれば一定の情報開示義務がありますので、ある程度の情報をネット上で入手することもできますが、会社の規模が小さくなればなるほど、見えない部分が非常に多くなってきてしまうという問題もあります。
そんな時は、どのように”調べ尽くせ”ば良いのでしょうか。
ここでもやはり、まずは転職サイト、エージェントをフル活用するという方法が有効です。
そして、さらに、可能な限り自分の”手脚(てあし)”を使っての情報収集も行うようにしましょう。
ネット上での情報収集に始まり、書店や図書館等で各種情報誌や専門誌を調べてみる、さらには身近な友人・知人やそのまた知人、はたまたプライベートでの人脈など、自分が活用できるありとあらゆる手段で情報収集を行っていきます。
面接でその会社についてどこまで詳しく質問されるかはわかりません。何も聞かれずに終わることもあるでしょう。でも、重要なのはそこではありません。
その会社を調べ尽くすということの本当の価値というのは、表面上のその会社に関する知識の豊富さなどといったものではなく、あなたの中の、相手の会社を”調べ尽くして来た”という自信や熱意、会社への愛着のようなものが、面接時のあなたの表情や言葉じりに出てくるということなのです。
採用する企業側にとってみても、あなたと話していて、「うちも手あたり次第に面接を受けているうちの一社なんだろうな。」と感じ取れてしまうよりも、「絶対入社したいという想いが感じられる。」「入社後のやりたいことやビジョンが明確で、会社にも貢献してくれそう。」という前向きな姿勢が感じられる人の方が「是非とも採用したい!」という気持ちが強くなるのは言うまでもありません。
極論してしまえば、最終的にその会社に本当に入社するかどうかの判断というのは、合格後にあなた自身が決めれば良いことです。
でも、肝心の「合格」をもらうことができなければ、あなた自身にその選択権がなくなってしまいます。
働いてみたいと思える企業に出会い、せっかく選考過程に進むのであれば、「全部受かって、後から選び放題。」というぐらいの状態を目指しましょう。そして、そうなるためにも”やれるだけのことは全てやり尽くす”という意識を持って準備を進めていくということが大切です。
その”やれるだけのこと”の中の大切な1つが、この「会社を徹底的に調べ尽くす」という準備なのです。
あなたが会社を調べ尽くしたその努力は、絶対に無駄にはなりません。1社目よりも2社目、2社目よりも3社目と、あなたの中でもだんだんと”方法論”が確立されていき、自信もついてくることで、合格率も必ず上がってくるからです。
最後は本命の会社に絶対に入社できるよう、1件1件しっかりと取り組んでいくようにしましょう。
面接は”技術”で合格を掴み取る
最後に、企業側へのアプローチの中で心得ておくべきもう1つの大きなポイントをご紹介しておきたいと思います。それは、
「面接は”技術”」
だということです。
就職、転職活動をする上において、多くの人がもったいないことをしてしまっているのが、この面接に向けた対策の部分です。
世の中には、就職活動支援の一環として、面接の練習をさせてくれるサービスなども存在していますが、実際にそのような指導を受けたことがあるという人は非常に稀ではないかと思います。そして、これまで何度も面接を受けた経験があるという人でさえ、練習に練習を重ね、準備万端の状態で面接に挑んだことがあるという人はほとんどいないのではないでしょうか。
このように、就職(転職)活動全体で見たプロセスの中で、エントリーシートや筆記試験と比べても、その重要性は非常に高いにもかかわらず軽視されてしまっているのが、この「面接」というプロセスなのです。
一定の社会人経験のある人材を採用する際、新たに特定の資格が必要となるような職種は別として、個別に勉強が必要なほどの難関試験によって選考を行うという会社はまずありませんし、やはり採用に至る過程で最も大切なプロセスはというと、「面接」ということになるかと思います。
ということで、まずは’面接”というプロセスの重要性について再認識しておくようにしましょう。
では、「面接は”技術”」であると言うからには、誰でも使える絶対的な”攻略法”や”正攻法”といったものが存在するということでしょうか。
いいえ。残念ながら、そのような”裏技”のようなものはありません。
「矛盾してる。」そう感じられたかもしれませんね。ご説明します。
そもそも企業側が求める人材像が常に一律であるとは限りません。それに、企業戦略や採用時期による採用したい人材像の変化、その時の面接担当者自身の考え方などにも大きく左右されてしまうのが面接というものです。
そう考えると、「どんな面接でもこれさえやっておけば大丈夫。」というような”裏技”的なものを求めるのは難しいでしょう。
では、この”面接での技術”とは一体何なのでしょうか。それは、
『 見せ方 (=魅せ方) 』の部分での”技術”
ということになります。
ここで改めて頭の中を白紙の状態にしてみてください。そして、あなたが面接を受けようとしている会社のことを思い浮かべてください。
その時のあなたの感覚は、
- 自分と(会社と)の相性を確かめたい
- 絶対に入社したい
という2つのどちらに近いですか。
このそれぞれのスタンスの違いによって、あなたが面接で持っておくべき”技術”について、ここから具体的にお話していきたいと思います。
「相性を確かめたい!」
まずはこの「相性を確かめる」という意味についてですが、この”相性”というのは、言うまでもなく、あなたとその会社との相性ですね。そして、こちらのスタンスの場合、対象となる面接では、合格を狙いに行くのではなく、あなた自身がその会社に対する見えない部分を確認しに行くという感覚に近いものになります。
要は、「どんな会社なのか話を聞いてみよう。」という場合ですね。
前章にもあったように、全力でその会社を調査したものの、やはり情報量が少ないとか、もう少し具体的な仕事の内容などについて知りたいという場合も出てくるかと思います。
そんな時は、まずはその会社にアプローチして、実際に話を聞いてみるというのも選択肢の一つですよね。
このスタンスの場合は、非常にシンプルです。
その面接には、限りなく素に近い自分で面接に臨み、ありのままの自分をぶつけてみる、ということです。
あなた自身がその会社を面接している、というぐらいの気持ちで、自分が知りたい事をどんどん聞いていくようにしましょう。
ただし、この方法には、1つ非常に大きな落とし穴があります。
それは、話を聞いた結果、「この会社に入りたい!」と思ったとしても、既に選考のプロセスが始まってしまっているということです。
つまり、こちらは「話を聞いてみよう。」「自分との相性を確かめたい。」という想いで面接に臨んでいたとしても、相手の企業側からすると、それは紛れもなく「面接」という”選考プロセス”です。
企業側の担当者は、あなたのために時間を割き、場合によっては他の候補者との比較や社内での検討を重ねた上で、あなたとの面接の場を設けてくれている可能性もあるわけです。
そんな状況で、あなたが素の状態で話をしてしまっていては本当にもったいないですよね。もっと企業側から魅力的に映るような話や魅せ方があったわけですから。
ということは、どうすれば良いのでしょうか。
そうなんです。結局は、「面接」というものは、「全て合格する。」というぐらいのスタンスで行くということが大前提になるのです。
受ける面接、受ける面接、全ての面接で合格を勝ち取り、その後で本当に自分に合う会社を”あなたが”選考する、というぐらいの姿勢が必要なのです。
絶対に合格するための準備をして面接に臨んだ上で、自分が知りたい情報を聞き出せば良いわけですからね。
なんとなく面接を受けてきた、または受けようとしていたという人は、少し気持ちを切り替えて、面接への準備を進めていくようにしましょう。
それでは最後に、”合格する”ための”技術”について具体的に解説していきたいと思います。
「何がなんでも入りたい!」
さて、ここまで少し回りくどくなってはしまいましたが、大事な事なので敢えて遠回りしてお話させていただきました。
結論としては、「面接は全て受かる気で受ける」ということです。
そして、そのために必要な”技術”とは何かというと、「魅せる技術」ということになります。
では、いよいよこの「魅せる技術」についてお話ししていきたいと思うのですが、まず「魅せる」ということは、要は企業側から魅力的な人材だと思ってもらうということになりますが、もう少し具体的に言うと、
あなたが、その会社が必要としている(魅力的な)人材であるということを証明する
ということになります。これができさえすれば、あなたがその面接に合格する可能性はグンと高くなります。
つまり、面接までの間に自分をその会社に必要な人材であると魅せるための要素を可能な限り多く用意しておく必要があるわけです。
この「会社が必要としている人材像」と「あなたの今の状況」との”ギャップ”を埋めるという作業がまず第一段階になります。
そこで、その会社の情報を改めて整理しながら、その”人材像”について具体化していきます。
「会社を調べ尽くす」の章にもあったように、自分が利用可能なリソースは全て総動員して情報収集し、社員に求める能力や経験、取得が奨励されている資格などはないか徹底的に調べ尽くします。
海外事業に力を入れていくような経営方針を掲げていればあなたの語学力がアピールできるかもしれませんし、本業以外の分野に進出しようとしていればあなたが持つ経験でアピールできそうなものはないか、などなど企業側が求めていそうな部分について想像を膨らませます。
ここで大切なことは、「現時点でのあなたの能力(・経験・保有資格など)だけをもとに判断しない」ということです。
重要なことは、まずは「企業側の求める人材像」と、「今のあなた」の間にあるギャップを明らかにするということです。
このギャップが明確になったうえで、そのギャップを埋めていくということを検討していくのです。
場合によっては、あなたが身に付けておけば企業側にとって魅力的に映るような知識や資格、経験などをこれから獲得していくということも考えた方が良いかもしれません。
つまり、その会社に入るために有利だと思われるような資格や経験が明確なのであれば、すぐに採用プロセスへと進もうとはせずに、それらを先に取得するという道も検討した方が良いということですね。
でも、どうでしょう。そこまで悠長なことは言っていられないという人がほとんどではないでしょうか。
そんな時に武器になるのが、まさにここでご紹介する『魅せる技術』です。
まずはとにかくあなたの経験はどんなものでも、あなたを輝かせる”ネタ”の宝庫だと思ってください。
例を挙げてみましょう。
例えば、希望する転職先が高齢者を中心とする地域において地域密着型の経営を重視する薬局であった場合、自分がおばあちゃん子だったことで高齢者とのコミュニケーション能力に長けているという点を具体例を交えてアピールできないか、とか、希望する転職先が大きな組織の会社なのであれば、誰とでも分け隔てなく接することができる対人折衝能力の高さを武器にはできないか、また、転勤族で育ってきた自分の生い立ちのおかげで初めての人ともうまくコミュニケーションを取る力があり、それが異動に対する抵抗感の低さをアピールすることに繋げられないか、などなど、本当にいくらでも”言い様”があるかと思います。
解り易く言うならば、ある種の「こじつけ」ですね。
ここで絶対に間違ってはいけないことは、「嘘は絶対にダメ」だということです。
事実に基づいた「こじつけ」である分には、間違ったことを言っているわけではありませんし、もちろん嘘をついているわけでもありません。あくまであなたの感じ方として伝えているに過ぎません。
でも、これに少しでも”嘘”が入り込んできてしまうと、何かしら話のつじつまが合わなくなった場合に論理が破綻してしまったり、話がしどろもどろになってしまって逆に面接での印象を悪くしてしまうことになりますし、最悪の場合、「経歴詐称」になってしまうことも考えられます。
この「こじつけ」は、なかなか難しい”技術”ではありますが、頑張って色々と経験談を引っ張り出してきて、話を組み立てる練習をしてみるようにしましょう。
順序としては、
- 会社の求める人材像をなるべく多く、なるべく具体的に言葉に落とし込んで書き出していく
- 自分の中で、その人材像に近い経験はないか必死で考える
- 少しでも引っかかりそうな要素があったら、それをどう”こじつけ”て話していくのか、ストーリーを考える
という具合ですね。
勘違いしてはいけないのは、「うまく話す必要はない」ということです。
あくまであなた自信の経験談を事実に基づいて話す中で、「こんな私の経験が、御社の〇〇という考え方(や求める人材像)に非常にマッチしていると感じたので志望しました。」とアピールできれば良いわけです。
面接ではどうしても緊張してしまうという人でも、事前にしっかりとその経験談と人物像とのつながりが整理できていれば、極端な話、その経験談を一生懸命伝えるだけでも、企業側は「ウチの求める人材像のあの部分にヒットする候補者だな。」と察してくれるでしょう。
以上が、「面接は”技術”」とする考え方、準備の仕方になります。
この面接の技術に関するお話は、少し難しく感じられたかもしれませんので、最後に改めてまとめて整理しておくことにしましょう。
まず、あなたに転職に向けた準備期間がある程度確保できるという時間的余裕があるのであれば、タイムリミットまでの間に、資格や経験など、その会社に入社するにあたって有利だと考えられるものは全て身につけた上で就職試験に臨むということを検討しましょう。
一方、様々な理由から、すぐにでもその会社に行きたい、そんな悠長に準備している余裕などない、という人であれば、これまでの経験とその会社の求める人材像を埋めるギャップをどこかで”こじつける”形でアピールできないかと考えてみてください。
この”面接の技術”は、一長一短に身につけられるものではありません。話し上手な人とそうでない人での差はある程度出てくるかと思いますが、いずれにしても、事前の準備というのが何より大切になってきます。
あなたにも絶対に希望の会社に入るための、”こじつけ”要素があります。絶対にあきらめず、考え抜いて、考え抜いて、しっかりとした準備をして、面接に臨むようにしましょう。
まとめ
さて、今回は「転職で失敗しないためのポイント」ということで5つお話しをしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
私がこれまで多くの転職希望の薬剤師さんと面接をしてきて思うことは、大きく2つあります。それは、
- 「まだまだ”売り手市場”だな。」
- 「面接に挑むまでの準備不足で損をしてるな。」
1つ目は、薬剤師さんの転職市場というのは、やはりまだまだ薬剤師さんの側が有利な立場にある場合が多いと感じるということです。売り手市場の転職市場においては、必然的に”(転職希望の薬剤師と採用する企業側の)どちらが面接を受けているのか判らない状態”というのが起こり得ます。
つまり、売り手市場になっているというのは、求人を出す企業の枠の数(欲しい人数)が、求職者(転職希望者)の数を上回っている状態ですので、転職希望の手を挙げさえすれば、極端に言えば引く手あまたの状態なわけです。
その転職希望者が、よっぽど大きな問題を起こして前職を退社している場合や、採用側にとって明らかに採りたい人物像とかけ離れているといったことがなければ、大抵は求職者側が会社を選べる状態ということですね。
でも、その状態にあぐらをかいてしまっていては、墓穴を掘ってしまいます。それが2つ目に感じることである”準備不足”に繋がってしまうのですね。
「転職前に会社を調べ尽くす」の章でもお話ししましたが、しっかりとした”準備”というのは、面接時にあなたの中での自信に繋がります。そしてその自信は、良い意味で態度にも表れてきますし、必ずあなたの強い味方となってくれるものです。
採用する側として面接をする中で、その人の人となりやそれまでの経験に関しての受け答え以上に、入社したいという「意欲」や「熱意」といったものは案外感じ取れるものです。
今回この記事を読んでくれている薬剤師さんには、”準備不足”で転職活動を進めてしまうことにならないよう、その対策について余すことなくお話ししてきたつもりですので、ここでの内容が少しでもあなたの参考になり、あなたが希望する企業に転職できることを心より願っています。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。