『かかりつけ薬剤師』の認定シールで不正が発覚しました。
ニュースによると、インターネットのオークションサイト上で、「かかりつけ薬剤師」としての認定を受けるための研修を修了した旨を示す「シール」が不正に売買されているということです。
「かかりつけ薬剤師」は、2016年度から始まった制度で、薬を処方する薬剤師が「かかりつけ薬剤師」に認定されることで、薬を処方する際の診療報酬に「加算」と呼ばれる追加報酬を受けることができるというものです。
この制度の背景には、”医薬分業”という流れが存在しています。
高齢化の進む日本社会において、膨張する一方の医療費を抑制するため、それまで医師が処方していた薬を”外部”機関である薬局へと流すことで、余計な薬の処方を減らし、また患者が”薬漬け”になってしまう事態を回避しようという目的で始められた制度です。
この「かかりつけ薬剤師」の認定を受けるための研修を行っている機関のうち、最もメジャーとなっている「日本薬剤師研修センター」では、この研修を受講した証としてシールを交付しており、このシールが今回、5枚で1万5千円といった価格で売買されていることが判明しました。
厚生労働省は今後、実際に受講した薬剤師を名簿等によって厳格に管理する等、管理の徹底を求めるということです。
なお、日本薬剤師研修センターでは、不正が判明した場合には、「不認定」および「認定の取り消し」といった処置を取っているということで、併せて不正の防止を呼び掛けているということです。