転職関連知識

【完全版】『会社の辞め方』これで安心!円満退社があなたに利益をもたらす

『会社の辞め方【完全版】』これで安心!円満退社があなたに利益をもたらす

「会社、辞めよっかな。」最近そんなことばかり考えているという、あなた。

なんとなく会社を辞めることを考え始めたという人も、もう決意は固いという人も、気がかりな事はと言えば、

  • 「スムーズに会社を辞めるには、どういう手順を踏めば良いんだっけ?」
  • 「会社を辞める時には、どんな事に注意しておくべき?」

そういった部分ではないかと思います。

そこで今回は、ズバリ『会社の辞め方』です!

会社を辞める時にはどんなことに注意しておく必要があるのか、その「タイミング」や会社への「伝え方」、そして、実際に手続きへと入っていく際に、あなたが損をせず、”利益”を最大化できるようにするための「円満退社」の方法まで、全てここでお話していきたいと思います。

「会社を辞めるって、こんな感じなんだ。」

最後には必ずそう思ってもらえるかと思いますので、是非最後まで目を通してみてください。

‐ Contents (目次) ‐

【準備】会社を辞める時の「注意点」

まずはじめに、「よし、辞めよう。」そう決意して、退職の手続きに入ろうとする時、どんなことに注意しておく必要があるのかという「注意点」についてお話していきたいと思います。

実際に会社を辞める手続きに入る前に、これらの内容をある程度イメージとして頭の片隅に持っておくことで、なにか不測の事態が起こったり、予定通りに進まないような事態が発生した時にも落ち着いて対処できるかと思います。

ですので、実際に自分が手続きに入った時を想像しながら確認していってもらえればと思います。

会社を辞める時の注意点は、全部で「5つ」です。

  1. 退職の決意を固める
  2. 時期を考える
  3. 会社への伝え方を考える
  4. 退職条件について考える
  5. 退職後の流れを把握しておく

順にみていきましょう。

退職の決意を固める

会社を辞めるという決断をした”後”のことについて説明すると言っておいて、「また”決意”の話に逆戻り?」と思われたかもしれませんが、ここは本質的な問題としてこの後の流れにも関わって来る大事な部分になりますので、今一度確認しておきたいと思います。

改めて、あなたにお聞きします。

「本当に辞めて良いんですね?」

会社に退職を申し出たところ、引き留めにあってしまい、結局退社を踏みとどまることになった、というケースは実は結構よくある話です。

先に言っておくと、「私が退社の意向を伝えたとしたら、会社は絶対引き留めにかかってくるだろうな。そしたら辞めるのはやめておこうかな。」というような曖昧な決意をもとに、会社に「辞める」という意思表示をするようなマネは絶対にしてはいけません

結果的に会社に残ることになったとしても、あなたには「一度辞めようとした」というレッテルが張られ続けることになりますし、最悪の場合、その後自分の意思が「長年勤めたい。」というものに変わっていき、評価を高めるために頑張っていたとしても、一度そういう態度を示したばっかりに、ネガティブな評価がつきまとい続けるということも可能性としては否定できません。

今後もしも今の会社で、「早期退職の募集」などが発生し、誰も手を挙げなかったりしたらどうでしょう。やはりその時は、「仕事のできない人」もしくは、「仕事に対するモチベーションが低い人」というのが第一候補になってくるはずです。そうした場合に、”消去法的に”「以前、辞めたがってたよね。」という感覚を会社に持ち続けられていたとしたら、あなたは真っ先に「早期退職」の対象者に上がってくることになるでしょう。

こうした話は、大袈裟でも何でもありません。会社というのは、いざという時にはもの凄く”ドライ”です。

いざという時に非常に”シビア”な目で見られるということは、”雇われの身”としては常に意識しておかなければならないのです。

あまり気持ちの良い話ではなくなってしまいましたが、要するに、中途半場な気持ちのまま、退職の意思表示をするということは絶対に避けるようにしてください。絶対にあなたにとって良いことにはなりません。

次の転職先が決まっていたり、次にやりたいことがあるという場合には、そういった迷いも起きては来ないかとは思いますが、「退職後の道を明確に描けていない」とか、「人間関係の問題」や、「どうしても会社に居づらくなってしまって、やむを得ず会社を離れようかと思っている。」といった場合には、退職を申し出た際に、会社側から優しい言葉を掛けられたりしてしまえば、心が揺れて翻意しまうということも往々にしてあるのです。

ですから、もしもあなたの中に、ほんの”1mm”でも退職に迷いがあるとするならば、徹底的にそれについて考え抜き、最終的に「よし、もう絶対に後悔することはない。気持ちがひっくり返ることもない。」と自信を持てるようになってから、会社に対して意思を伝えるようにしましょう。

退職の意思表示をした後というのは、基本的には「後戻りはできない」ものだと認識しておくことが非常に大切です。

会社にとって人材の流出は絶対に避けたい状況にある場合、もしくは、あなたが余程”優秀”で、その会社にとってどうしても”なくてはならない存在”である場合などは、会社側もあの手この手であなたを引き留めにかかってくるでしょう。今のあなたの不満点を全て解消できる様な条件を提示されるかもしれません。

でも、よく考えてみてください。

そういった”処遇の改善”などというものは、何も退職の意思を示さなくとも交渉できていたはずですよね。

裏を返せば、あなたが「不満に感じていることが改善されるのであれば退職する必要はない。」と考えているのであれば、まずその交渉をしてみれば良いのです。そして、その交渉の”後”に、退職について真剣に考えてみれば良いのです。

会社を辞めるのは、いつだって可能です。

「今の会社、まあまあ良い会社なんだけどな。もうちょっと良い会社もあるかもしれないし、辞めちゃおっかな。」

さすがにそんな人はいないかとは思いますが、それに近い”軽い”気持ちで、今より良い会社へ行ける確証もなく、早々に退職を決断してしまうといったことはすべきではありません。

「いいや、私の退職の意思はもう完全に固まっている。」

そんな決意の固い人は、次章以降でいよいよ「会社を辞める時の注意点」についてお話していきますので、1つずつ確認していくことにしましょう。

退職の「時期」

「何を言われようと、私の気持ちは変わらない。この会社を辞める。」

そう決意が固まったら、まず最初に検討すべきは、「タイミング」です。

「いつ会社を辞めるのか」という話ですが、これは一言で言ってしまえば「あなたが決めた時期」ということになります。

人間関係の問題などによって、「もう精神的に限界に来ている。」というような人は「一刻も早く」ということになるでしょうし、次の会社が決まっているという場合であれば、そちらに移るための準備期間等を勘案してタイミングを合わせるということになるかもしれません。

つまり、基本的には「あなたの都合で辞めるタイミングを決める」という考え方で構いません

一方で、「会社を辞めるタイミング」を考える上で、ほとんどの人が最も気になっていることはと言えば、「辞める”タイミング”によって、何かに”有利・不利”といった影響を及ぼす要素があるのではないか。」という部分ではないかと思います。

そして、この観点から言うならば、気を付けておくべきポイントは2つです。

  • 『賞与=ボーナス』
  • 『転職市場動向』

それぞれ詳しく解説します。

賞与・ボーナスの受取

まずは「賞与」、つまり「ボーナス」についてですが、「ウチの会社はそんなもの無いよ!」という人は、無視してください。

一方、ボーナス支給があるということであれば、おそらく【年1回】ないしは【年2回】という会社がほとんどでしょう。

ボーナスというのは、ご存知の通り、「一定期間の業績や会社の発展への貢献に対する報酬」という位置づけで、その「評価対象期間」や「在籍時点」に条件が設けられている場合が多いかと思います。

例えば、12月支給であれば、「12月1日時点で在職の者」で、それ以前の「評価対象期間であるA時点からB時点まで会社に在籍していた者」に対して支給する、といった具合です。

あなたがもし、最後のボーナスを受け取ってから退職しようと考えている場合、まずはその”権利”をあなたが有しているかどうか、そして、後ほど解説しますが、退職直前に「有給(休暇の)消化」などを考えている場合には、その有給期間の扱いがボーナスの支給基準に影響を及ぼさないかという点について、あらかじめしっかりと確認しておく必要があります。

一部のブラック企業などでは、上司や会社の周りの人間から、「このクソ忙しい時に辞めると言い出して、ボーナスまで貰おうなんて、何を考えてるんだ。」といったことを言われたり、暗に圧力をかけてきたりするといったこともあるようですが、そんなことは、一切、何一つ気にしなくて構いません。

あなたが、その会社のルールに則って与えられた権利を有しているのであれば、何も気兼ねする必要などないのです。

その評価対象期間に一生懸命仕事をし、会社のために尽くしてきたという自負さえあれば、胸を張って受け取れるはずです。

「退職前の長期にわたって休職していた」とか、「ほとんど仕事には出ず、休みがちだった」というように、誰が見てもボーナスの受取りがはばかられる様な状態であるならば、それは会社に対して申し訳ないという気持ちから、支給を”辞退する”という選択肢もあるかもしれません。

その辺りは、自分の胸に手を当てて判断してもらえれば良いのですが、「ボーナスを受け取ってから辞める。」と決めたのであれば、(ボーナスを受け取れる)”権利付き”になるタイミングや有給消化の扱いなどには十分に気を付けて退職のスケジュールを組み立てていくということを忘れないようにしておきましょう。

転職市場動向

そしてもう1つ、会社を辞めるタイミングとして意識しておいた方が良いのが、「転職市場動向」についてです。

これは、結論から言えば、【年末年始から年度末にかけて】のタイミングがベストと言われています。大体【12月末頃から3月末頃まで】の時期ということになりますね。

退職後の進路が決まっておらず、退職後に転職活動をしていくということになれば、当然、次の仕事の候補となるべき魅力的な求人の数が多く出されているようなタイミングを狙っていかなければなりません。

「縁故」や「紹介」などの、タイミングの融通が利く転職を前提とするならば、入社までを見据えてゆっくりと準備をするといったことも可能かもしれませんが、ゼロから転職市場での転職活動を経て次の会社を決めていくということになれば、最も魅力的な求人が多く出されている時期で、なおかつ前職からの移行がスムーズに行えるタイミングが理想的ということになってきます。

そう考えた場合、やはり3月決算の企業が多い日本社会においては、次年度のスタートである4月からの経営体制の構築へ向けた採用活動が佳境を迎える12月末頃から3月頃というのが大きな狙い目だと言えるわけです。

会社というのは、一定の経営計画のもとに運営されている場合がほとんどです。特に大手企業などの場合には、ステークホルダーと呼ばれる債権者や投資家、株主に向けて、「来期はこれだけのことを成し遂げ、会社をこのぐらい成長させたいと考えています。」といった”計画”を示さなければなりません。

そして、その計画を遂行するための人員配置や採用計画といったものが明確になり、場合によっては「なんとしてもあと〇〇人、採用しなければ。」といった状態が生まれてくるのが、この3月ぐらいまでの期間ということになるわけですね。

転職を目指す求職者側からしてみれば、会社の経営計画に沿った形で、「ここにあと〇人の人員補強が必要だ。」とか、「新規出店や業容拡大によって、まだ人員の追加確保が必要だ。」といったような話が出てくるこのタイミングを逃さない手はありません。

さらに、「”薬剤師”採用」固有の特徴として、「国試」=「薬剤師国家試験」との関連性も考えておかなければなりません。これはあなたもよくご存知の通り、毎年概ね2月の末頃のタイミングで実施され、3月末頃に合格発表があるものですが、この「国試」がなぜ”転職者”の採用に影響してくるのでしょうか。

答えは、先ほどと同じ「企業の採用計画」の部分にあります。

前述の様に、企業というのは、自社の事業展開に合わせて人員の採用や配置転換等を行っていくわけですが、新卒の薬剤師を採用しようとする場合、「国試に合格する」(「薬学部を無事に卒業する」という意味も含む)ということが大前提となることは言うまでもありません。

つまり、会社側としては、「内定通知」を出して戦力となってもらうはずだった予定の”薬剤師”が、国試に不合格となってしまっては、”薬剤師資格を持たない人”になってしまい、人員計画に狂いが生じてきてしまうわけです。

これが、卒業検定では2月頃、本試験では3月末の合格発表時にはっきりするわけですので、大量採用を行う大手事業者などは、既に内定通知を出している候補者のうち、数%程度を不合格者と見込んだうえで、もしくは、想定外の人員不足に対応する形での(転職者向けの)求人がこの時期に発生するということがあり得るわけですね。

これが、薬剤師の新卒採用が転職市場へと影響を及ぼすからくりです。

加えて、先程お話しした「ボーナスの支給」のタイミングというのも、この転職市場へ影響を及ぼしてきます。

転職者を採用しようとする企業側から見ても、多くの会社でボーナス支給後のタイミングとなるこの年末年始からの時期というのが、(会社を辞めた)人材が転職市場へと流れてくる時期だということは”百も承知”です。

そうした背景から、転職市場が盛り上がりを見せるこの時期に退職し、次の職場を目指した転職活動を本格的に進めていくという行動は、”流れに乗る”という意味においても理にかなっていると言えるでしょう。

一方、ネガティブな面についても触れておくと、この時期にそれだけの求人数が供給され、求職者が増えることで、転職市場が活発化するということは、転職を希望する側の競争も厳しくなるという側面もあるわけです。

では、そのような状況にどう対処すれば良いのでしょうか。どうすれば他の転職希望者よりも有利に転職活動を進めていくことができるのでしょうか。

簡単です。「早め早めに行動に移して」いけば良いのです。

具体的には、これまでお話して来たような、年末年始頃の転職市場が最も加熱する時期に、「数ある求人から自分の理想的な職場となり得る候補を嗅ぎ分ける感覚」を身につけ、しっかりと「自分のことを会社にアピールできる準備」を整えておくということが非常に大切になってきます。

そうすることで、転職サイトの担当者やエージェントの人たちと、自分の意思を明確にしたうえで候補を絞り込んでいくことができ、いざ転職の選考プロセスへと進む段階になった時に、迷わず、自分の明確な希望に沿って面接等へ進んでいくことができるのです。

ですので、できるだけ早く、時期的には遅くとも夏前から夏頃にかけてぐらいまでの間には、転職サイトに登録したり、自分で色々と情報収集しながら転職活動をしてみたりと少しずつ行動を起こしてみることをお勧めします。

転職活動に「早過ぎる」というこはありません。

少しでも「会社を辞めたい。」と想い始めたり、他の会社が気になり始めた段階で、少しずつ行動を起こしてみるようにしましょう。

「そっか。じゃあできるだけ早く登録だけでも済ませておいた方が良いんだな。」

そう感じたあなた。その気持ち、この記事を読み終える頃には、もう忘れていることでしょう。

そう。「いつやるの?」と言われれば、やっぱり「今」しかないんです。

次の一手は、【あなたの想いの熱いうちに打っておくべき】なんです。

退職の意思の「伝え方」

さて、「辞める”時期”」を見定めたら、次はいよいよ会社に対して「退職の意思を伝える」というステップへと入っていくのですが、この時、円満退社を実現するためにはどのような点に気を付ければ良いのでしょうか。

「退職届」と「退職願」

一部情報サイト等では、「退職届」や「退職願」について、その違いや書き方といったことが取り上げられていますが、そうした書面は、基本的には、特に必要ありません。口頭で伝えれば十分です。

ただし、1つだけ例外があって、「会社が退職を拒否」してきた場合には、あなたがその後の交渉を自分のペースで進めていくためにも、あなたが退職の意思表示をしたという証拠として、そうした書面を残しておく必要があります。

『退職届』と『退職願』の違いとは?「意味と書き方」あなたが用意すべきもの

「退職届」と「退職願」の間にある違い、あなたは説明できますか? 映画やテレビドラマ、漫画などの世界で時折見かける、”会社を退職しようとする登場人物が、上司に向かって封筒を渡す” というシーン。 あのシ ...

したがって、「会社側は何かと理由をつけて間違いなく拒否してくるだろう。」ということが予想される場合には、書面での「退職届」や「メール」、場合によっては「退職届を内容証明で会社へ送る」など、確実に証拠が残る形での対応をとっておくようにしましょう。

ワンポイント

自分が「退職の意思表示をした」という証拠を明確に残しておくことで、後日万が一、会社から「退職の意向なんて聞いていない。」などと言われた場合の反証とすることができるため(退職の2週間から1ヶ月前ぐらいまでにそうした意思表示をしていれば)、退職届に書いた日程で退職することが可能になります。

一方で、そのような”揉める形”での退職となってしまった場合には、後ほどご紹介する「退職条件」等の話し合いなどもスムーズにいかないことが多くなってしまいます。

したがって、できる限り話し合いで円滑に退職手続きを進められるような方法を優先して考えていくということもとても大切です。

なお、「退職理由」については、結論から言うと「一身上の都合です。」とだけ伝えておけば問題ありません。

同業他社への転職や今の会社への不満が溜まっている場合などは、それを口に出すのも難しいでしょうし、そういった理由での退職の場合には、上記の様に「一身上の都合」や、「自分の人生設計を考える上で色々と悩んだ末にそういう結論に至った。」など、曖昧な返事をしておけば大丈夫です。

会社側は退職理由を明確にしなければならない理由もありませんし、そもそもそんな権利もありません。あるのは、あなたが会社を事由に退社することができるという権利だけです。

ということで、退職理由については、こちらから無理に話す必要はありませんし、もし相手側から尋ねられた場合には、曖昧にかわしておけば良いでしょう。もちろん、体調不良や家族のケアが必要になったなど、本当に正当な理由として堂々と伝えるべきことがある場合にはそれをそのまま伝えれば良いかと思います。

退職の意思を「伝える時期」

では、改めて会社への退職の意思の「伝え方」について見ていきたいと思うのですが、まず、上司に対して”口頭”で「退職したい。」という話を切り出すにしても、”いつ”言うべきなのでしょうか。

これは、退職を希望する時期の少なくとも1ヶ月、できれば2か月ぐらい前には話をした方が良いと考えておきましょう。

退職を申し出てから、会社側から対応について”保留”され、交渉に似た”慰留”の話や、あなたに退職して欲しくない会社側とのちょっとした”話し合い”が続いたりすることで、場合によってはあっという間に「1・2週間」経ってしまうなんていうこともざらにあります。

大規模な組織や、現場が本当にバタバタしていて、毎日が自転車操業状態に陥っているような職場であれば、会社から「ちょっと今(辞めるの)は勘弁してくれないか。」ということを言われるかもしれませんし、現場のあなたの直属の上司にそういった退職等の判断の権限がなく、社内の然るべき担当者との話し合いの場をセッティングするだけで数日空いてしまう可能性だってあるわけです。

ですので、そういった想定外に日数を取られてしまう可能性というものも考慮し、もろもろ退職の話がまとまるまでの期間を約1ヶ月程度と想定しておきます。

さらにこれに加えて、退職時に考えておいた方が良い問題として、ここまでも何度も登場している「有給休暇の消化」という問題も出てきます。

「有給休暇」に関しては、もちろん全てを消化する義務があるわけでもなく、あくまで任意での利用ということになるわけですが、これは法的にも認められたれっきとしたあなたの「権利」ですので、退職時の取得を前提にスケジュールを考えていたとしても何も問題はありません。

有給休暇の日数にもよりますが、まとまった日数がある場合には、それを加味して逆算した日を”実質的な退職の日=最終出社日”として逆算しておく必要がありますね

有給消化については後ほど詳しく触れますが、ここでは簡単に具体例を1つお話しておきましょう。

例えば、あなたが12月末での退社を目指しているとします。つまり、会社にあなたの籍が残る最終日が12月31日という場合ですね。

この場合、単純計算では1か月前で11月末、2か月前では10月末頃までにはその意思表示をした方が良いということになるわけですが、長年勤めた会社を退職する場合などは、ある程度まとまった日数の有給休暇を保有している場合がほとんどですので、仮に自分が使える有給があと15日残っているとすれば、12月末の退社から逆算して”15日前”(営業日ベース。ここでは単純化のため、土日休みとして計算)の12月第1週いっぱい辺りが”最終出社日”となるわけです。

さらに、会社に対して退職を申し出るタイミングを考える上においては、「民法上の規定」と「就業規則」という点も考慮しておいた方が良いでしょう。

まず1点目の「民法」上の取り扱いについてですが、民法第627条に退職に関する規定があります。これは、その労働者が、

  • 期間の定めのある労働者
  • 期間の定めのない労働者

どちらなのかによっても異なってくるのですが、基本的な考え方としては、前者の”有期雇用”の場合は、やむを得ない事情がある場合以外はその期間が満了するまでの退職というのは原則的にできないものとされ、後者の期間の定めのない”無期雇用”の場合は、退職を希望する日の2週間前までにその意思を伝えることで退職ができるものとされています。

ただし、期間の定めのない、月給制や年俸制で働く従業員は、その給与計算の根拠となる期間(月給制であれば給与計算の締め日までの1か月間のことです。)の前半のうちに申し出なければ、その月中に退職することはできません。

つまり、月末が給与計算の締め日で、12月いっぱいで退職したい場合であれば、12月15日までに申し出ることで、12月いっぱいで退職することが可能となるわけです。

そして2点目が、「就業規則」についてです。

多くの会社では、「就業規則」の中に「退職規定」というものが設けられており、「退職する場合には、〇日前までに退職の申し出をすることとする。」というような取り決めがあることがほとんどです。(そして、おそらくあなたも入社時にその書類の内容を承認したとする押印をしています。)

では、「民法」と「就業規則」の規定が異なる場合にはどちらが優先されるのかと言えば、これは当然「民法」上の規定ということになります。

したがって、法的な観点からは、会社に退職を申し出て”2週間を経過”すれば退職は可能と考えておいて問題はありません。

ただし、これはあくまで”民法上の権利”としての話であり、実務上は業務の引継ぎや残務整理、各種手続きなど、さらにプラスαの日数を要するという場合がほとんどです。そう考えると、そもそも2週間では足りないという方が普通かもしれません。

会社側の対応の遅れといった不測の事態や業務の引継ぎ等のための時間的余裕と併せて、有給休暇の消化等の観点からも、早め早めに行動するということが自分自身にとっても都合の良い形での退職を実現できることに繋がってくると考えておくようにしましょう。

【参考】「退職」を伝える「時期」について詳しくは、コチラ

ということで、退職の意向を伝える「時期」としては、完全に退職をする日から起算して、おおよそ2か月程度前が理想的、少なくとも1ヶ月程度の余裕を持っておくべきだと理解しておいてもらえればと思います。

【おまけ】退職の伝え方「悪い例」

退職の意思の伝え方のお話として、蛇足ですが、1つ実際にあった例をお話したいと思います。

何を隠そう、ファーマン自身の経験談です。

「退職の決意を固める」の章でお話しした通り、会社に退職の意思を伝える時は、「固い決意」が大切です。

。。と、しつこく言っているのには、実は訳があって、私自身が失敗したことがあるのです。

ファーマン自身も、過去に企業を退職しているのですが、その際、一度会社からの慰留に合い、翻意してしまった経験があるのです。

当時私は、自分の将来がこのままで満足のいく結果になるのかと自問自答する中で、転職活動によって次の職場を決めるようなこともせず、少し頭を冷やす意味と、以前から関心のあった「留学」の準備期間として、会社を辞めることを考えていました。

そして、自分の中に若干曖昧な気持ちも残りつつ、一方で「このままではいけない。」という気持ちから、上司に「会社を辞めたい。」という意思を伝えました。そして、幸か不幸か、その時は慰留され、動機が曖昧だったこともあって、思いとどまることになったのです。

私の場合、「いずれにしても、近い将来に会社を辞める」ということ自体は明確に決めていたことでしたので、その時は「もう少しやってみるか。」という気持ちになったことを覚えています。

ただし、会社に対しては、慰留を飲む代わりに「自分がやりたい仕事をさせてもらえるのであれば、会社に残る。」という条件を引き合いに出すことにしました。

会社として「私のことを本当に使える奴だと思っていただけているのであれば、〇〇という部署へ行かせてください。」と申し出たのです。

当時の会社は、非常に大きな組織で、自分の従事する業務以外にも、”転職した”と言えるぐらいのレベルで全く異なる業務がいくつも存在していました。そこで、今の仕事では自分の成長機会が限られると考えた私は、敢えて厳しい仕事ができる部署への異動を申し出たのです。

結果的に私の希望を聞いてもらえることになり、晴れて自分が成長できる仕事に就くことができたわけですが、私はその約5年後に実際に退職することになります。

後から振り返ってみて、その時の”転職に似た異動”というのは、自分の人生にとって非常に大きなターニングポイントとなり、その後の5年間は非常に充実したキャリアを形成していくことができました。

そういう意味では、私は非常に運が良い方だと思っています。

そこまで多岐にわたる業務が社内に無かったり、ましてや、「薬剤師」という専門性を前提とした場合、会社側は全く関係のない業務に従事させるという判断をするのも難しいかと思いますので、現実的には薬剤師さんが退職の意思を翻意して業務を継続するということは、今まで通りに働き続けるということになる場合がほとんどでしょう。

したがって、私の例のように、もしも翻意してしまったとしても、社内でまだ自分にとって”価値のある仕事”が存在していると思えるのであれば、それを念頭に置いておいた方が良いかもしれません。

一方で、その場合であっても、前述の通り、退職の意思を示さずともそういった「異動」や「配置転換」の希望は出せるかと思いますので、やはり少しでもポジティブな要素が残っている場合には、一度冷静になり、よくよく検討した上で退職の意思を自分でも確認してみるということをお勧めしたいと思います。

要は、会社への退職の意思表示というものは、場合によっては自分が予想もしていなかったような事態を生み出すこともあるということです。

会社に退職を伝えたら、あとは全て自分の想定していた通りに事が進むとは限りません。

今の社内に、実はもの凄くあなたの仕事ぶりに目をかけてくれている人がいて、あなたの退職の意思を聞きつけるとすぐに何か他の選択肢を用意してくれたり、その後のキャリア形成の相談に乗ってくれるといったことが起こるかもしれないのです。

転職や退職にまつわる情報サイトの中には、「会社に慰留されないためには、、」とか、「確実に退職を勝ち取るためには、、」というような、「テクニック」的な話をしているものもありますが、結局の所、最も重要な事は何かといえば、あなたの意思の強さ以外にありません。

最終的に、あなたの退職の意思が固い場合、会社側はどうあがいても、それを留めることはできないのです。

法的にも、会社側はあなたを慰留する権利を有してはいません。当然ですよね。本当に何か問題が生じていて退職しようとする時に、会社側がそれを阻止できる様な法律などが存在していたら、もはやそれは”軟禁”ともいえる状態にもなってしまいます。

「会社を辞める」という人生のターニングポイントを迎えるにあたり、その後の人生がどのような道を進んでいくのか、最後に選択・決断をくだすのは、他でもないあなた自身です。

その先にどんな不可抗力が待ち受けていたとしても、長い目で見てあなたが後悔のない人生を送ることができるよう、私も陰ながら応援しています。

以上、「おまけ」のお話でした。

退職の「条件」

さて、続いては、「退職時の条件」についてみていきましょう。

  1. 退職金
  2. 有給(休暇の)消化

頭に入れておくべき退職時の条件は、大きくこの2つです。

「退職金」

まず、「退職金」(「退職手当」と呼ばれることもありますが、同じ意味です。)についてですが、大前提として言えることは、「期待し過ぎてはいけない」ということです。

基本的に、退職金というのは、長年その会社に貢献してくれたことに対する”論功行賞”的な要素がほとんどの割合を占めていますので、ウン十年以上その会社で働き、勤め上げてはじめてある程度まとまった額を受け取れるものと考えておきましょう。

さらに言えば、退職金というのは、定年退職を一つの目安として、あくまで”会社側から”「一つの区切りです。これまでお疲れさまでした。」という形で支給されるものですので、その金額は、退職寸前に大幅に増えるというイメージで変化します。

つまり、毎年何十万、何百万円単位で徐々に増えていくのではなく、いわば勤続期間の満期(定年等)になってはじめてまとまった額になる設計となっていますので、数年や十何年ぐらいの勤続年数では、退職金があったとしても、”すずめの涙”ほどと考えておいた方が良いかと思います。

そして、悲しいかな、近年では特にこの「退職給付制度」そのものを廃止したり、給付金の減額を行うといった企業も増えてきていますので、以前と比較して、受け取る側としてはかなり厳しい状況になって来ていると言わざるを得ない状況です。

そもそも退職金というのは、法制度などによって担保されたものではなく、各企業が任意で用意するものです。したがって、会社側には「退職金を支払う”義務”」というものは存在せず、就業規則等で退職給付規定といったものを設けて、制度として確立されたものが無い限りは、退職者側から要求するようなことはもちろんできません。

ただし、そうは言っても、会社にそういった退職給付制度が存在しているという場合には、しっかりとその内容を確認し、言い方は悪いですが、たとえ辞める立場だとしても”食い逸れ”のないようにしておきましょう

また、任意で加入していた財形貯蓄や持株会などの個々の会社特有の積立制度の様なものがあった場合には、加入期間が長ければ、それこそバカにできないぐらいの金額が積み上がっている人もいるでしょうから、ある意味で、これまで自分が頑張ってきたご褒美として退職金替わりと思っても良いのかもしれません。

「有給休暇」の消化

続いて、「有給(休暇の)消化」に関してですが、こちらは「年次有給休暇(制度)」として、「労働基準法第39条」に定められているものになりますので、条件を満たせば必ず取得できるものになります。

その条件とは、

  • 就業した日から6か月以上経過している
  • 全労働日の8割以上の出社実績がある

というものです。まずはこの2点について、自分がクリアしているかどうか改めて確認しておくようにしましょう。

さらに、上記の2条件を満たしている場合、「自分は何日の有給休暇を取得できるのか」ということも併せて知っておく必要があります。

ただ、事前にこのことを会社に確認しようとすると、退職を考えているということを会社に気づかれてしまったり、そもそも頭ごなしに「そんなの調べても(忙しくて)取ってもらう余裕はないからね。」と言われてしまう様な”超ブラック企業”だという場合には、これも就業規則をもとに、自分のこれまでに取得した有給休暇の日数なども考慮して、日数を自力で計算するしかありません。

参考までに、フルタイムで勤務してきた場合の有給休暇の付与日数を挙げておきます。

継続勤続日数 有給休暇の付与日数
半年以上 10日
1年半以上 11日
2年半以上 12日
3年半以上 14日
4年半以上 16日
5年半以上 18日
6年半以上 20日

ただし、上記日数はあくま労働基準法上の最低日数ですので、会社側が独自に有給休暇制度を設けている場合などであれば、これにさらに上乗せした日数となっている場合も考えられます。

加えて、有給休暇には、2年の時効というものがあります。つまり、有給休暇が付与された時点から2年はさかのぼって申請し、有給を取得することが可能と覚えておけば大丈夫です。逆に言えば、有給の付与から2年を超えてしまっている場合は、取得しきれなくて余った有給がいくらあったとしても、それを使い切ることはできません。(労働基準法第115条)

【参考】『有給休暇ハンドブック』厚生労働省

そして、勘違いしてはいけないのは、有給というものは、「会社には申し訳ないけどいただくもの」ではなく、条件さえ満たしていれば「あなたが当然の権利として持っている必ず取得すべきもの」であるということです。

さらに、政府の方針として、2020年までに有給休暇の取得率を70%とする(2017年時点で51.1%)という目標へ向け、2019年4月からは改正「労働基準法」が施行され、【年間5日間の有給取得義務制度】がスタートしています。

有給休暇が10日以上ある従業員については、発生日から1年以内に最低でも5日間の有給休暇の消化が会社側に義務付けられていて、履行できなかった場合には会社に対しての罰則規定も設けられています。

したがって、これまで現実的に業務を空けることができないとの意識から、自発的に有給取得を避けてきた人にとっても、もはや絶対に有給を取らなければならない時代に突入しているのです。

【参考】『年次有給休暇の時季指定義務』厚生労働省

ただし、今回の記事では何度も強調しているように、あなたの今後を考えた上で、円満退社を図るという前提に立つのであれば、前述の様に、その有給取得と併せて、あなたが抜けた後の業務が円滑に回るよう、引継ぎや残務処理の時間も考慮に入れた上で、退職の申し出や手続きの開始のタイミングを考え、スケジュールを調整していくということが大切だということも、併せて心得ておくようにしましょう。

ということで、有給消化に関しては、「取得できて当然のもの」である一方で、会社側の都合も汲み取った上でなるべく周りの業務への負荷が少なくなるような円滑な取得が実現できるよう、対応していくことが重要です。

退職後の流れ

最後に、退職後の手続き等の流れですが、会社を辞める時というのは、想像以上にたくさんの手続きが必要となります。

私も自分が退職した時には、転職ではなく、独立という形であったため、転職先の会社に丸投げすることもできず、手続きの多さに驚いたことを覚えています。

転職を前提とした退職ということであれば、基本的には次の会社において必要な手続きを粛々と進めていくことで、今辞めようとしている会社側の手続きも完了するということになる場合が多いかとは思いますが、次の所属先が無い状態という場合に、主に気を付けておかなければならない点は、大きく4つです。

  • 住民税
  • 失業手当
  • 年金
  • 健康保険

まず住民税ですが、これはあなたが退職日から1ヶ月以内に転職するのか、次に働くのは1ヶ月以上先になるのかによって変わってきます。

1ヶ月以内に転職するという場合には、引き続き次の職場において、給与から天引き(「特別徴収」)によって住民税を収めることができますが、そうではない場合には、後から分割して自ら収める「普通徴収」という扱いになり、個別に手続きが必要となります。

辞める方の会社に「「普通徴収」に切り替えてください。」と伝えれば、そこまでの手続きはやってもらえますので、その後市町村役場から送られてくる住民税の納付書をもとに期日までに銀行や郵便局、コンビニ等で支払いを済ませるようにしてください。

続いては、「失業手当」です。

これは、正式には「雇用保険の基本手当」と言って、一般的には「失業保険」とも呼ばれているものです。働く意志はあるけれど、失業状態にある人が受給できる手当となっています。起業を目指す人や、専業主婦になることが目的の場合の離職では退職者となりませんので、注意が必要です。

手続きとしては、【離職票が交付され次第】、【居住地を管轄するハローワーク】にて申請をしてください。

次に、「年金」ですが、これは【国民年金に加入する場合】と【家族の社会保険の扶養に入る場合】で異なってきます。

国民年金に加入する場合であれば、【退職後14日以内】に、【居住地の市町村役所の国民年金窓口】にて手続きが必要です。

一方、家族の扶養に入る場合は、【すみやか】に、【家族の勤務先】に対して申請をすることが必要になります。

最後は、「健康保険」です。

これは3パターンに分けられますが、【これまでの健康保険を任意継続する場合】、【国民健康保険に加入する場合】、【家族の社会保険の扶養に入る場合】ということになります。

まず、これまでの健康保険を任意継続する場合には、【退職後20日以内】に、【会社もしくは健康保険組合】に対して申請をしてください。

次に国民健康保険に加入する場合ですが、【退職後14日以内】に、【居住地の市区町村役所の健康保険窓口】にて手続きを取るようにしてください。

最後に家族の社会保険の扶養に入る場合です。この場合は【すみやか】に、【家族の勤務先】へと手続きの申請を申し出るようにしてください。

これらの各種社会保障制度等の手続きについては、私自身もそうであったように、自分で詳細まで把握しようとしても現実的には無理があります。

一方、そうかと言って手続きをないがしろにしたまま放置しておくわけにもいきません。

したがって、【申請の期限】と、各種手続きを行う先となる【担当機関】だけはしっかりと押さえておくようにし、あとは直接電話をするなり、出向くなりして、担当者の言われた通りに手続きを進めていくというのが、自分であれこれと調べるよりも逆に効率的で、より確実かと思います。

次の所属先が決まっていなという方は、この手続きの面で少し面倒な思いをすることもあるかと思いますが、必要な事ですし、自分に見返りのあるものがほとんどですので、しっかりと対応しておくようにしましょう。

「円満退社」すべき理由

『会社の辞め方【完全版】』これで安心!円満退社があなたに利益をもたらす

最後に、『円満退社』の重要性ということについてお話しておきたいと思います。

可能な限り「円満退社」を目指しましょう。

当然のことではありますが、どっちみち会社を辞めるということであれば、絶対に円満に退職をすべきです。

もしもあなたが、これまでの会社の処遇や自分に対する扱いなどにもの凄く大きな不満や怒りを抱えた状態であったとしても、”揉めて”辞めるという形になってしまったら、あなたにとって絶対に損です。間違っても、「最後に会社を困らせてやる。」とか、「迷惑をかけて仕返ししてから辞めてやる。」などということは考えてはいけません。

では、なぜ円満退社が必要なのかと言えば、一言で言ってしまえば、今後のあなたの評価を下げないためです。

転職市場、ましてや薬剤師さんという限定された職種における人材を扱う業界と言うのは、あなたが思っているよりも案外”狭い世界”なのです。あなたにもし悪い噂が立ったとしたら、すぐに把握されてしまう可能性は高いと言わざるを得ません。

もちろん、転職サイトやエージェントというのは、あなたを転職先となる候補企業に売り込む立場ですので、そんなネガティブな情報を大っぴらに伝えたりはしないでしょうし、そもそも個人情報は守られるということが大前提ではあります。

でも、その一方で、そうした情報というのが万が一にでも業界内に出回ってしまうというリスクも考えておかなければならないのです。もしそうなれば、採用する側の人事関係者の耳に入らないとも限りません。

もっと言うと、採用する側の経営者間や人事部の間ですら、そういった話はあっという間に広まってしまう可能性があると考えておいた方が良いのです。

「Aさんは、前の会社を辞めると決まってから、無断欠勤や退職時の条件交渉を強行にして来たりと凄く強気の態度になり、最後の印象はかなり悪かった。」

「Bさんは、辞めると決まった途端、明らかに勤務態度が変わって、会社に来ても一切何もせず、ろくな引継ぎもなく、自分の関わる業務をむちゃくちゃにして出て行ってしまった。」

極端な話の様に思われるかもしれませんが、どれも実際に起こっている話ですし、もっともっと話だっていくらでも存在します。中には耳を疑う様な話を聞くこともあるのです。

そういった噂のある人間を、誰が次に採用しようと思うでしょうか。

もちろんこれは「自分の持っている権利すらもできるだけ放棄して、良い子にしておくべき。」などと言っているわけでは決してありません。

これまで働いてきた対価である各種の権利や主張できる部分に関しては、円満な交渉の中において適切に行使・取得していけば良いのです。

転職市場や同業種における他社との横のつながりというのは案外狭く、辞める会社での晩節を汚してしまうことで、その後の人生を台無しにしてしまわないためにも、そして、次のステージへ清々しい気持ちで進んで行けるようにするためにも、是非冷静に、淡々と、円満に退社するということを心掛けて対応していくようにしてくださいね。

まとめ

お疲れさまでした。

「会社を辞めようと思うと、意外と色々と考えなきゃいけないんだなあ。」

そう感じられたかもしれません。

今回ご紹介したことというのは、どれも会社を辞める上でとても大切なことです。

会社に対するそれまでの恨みなどから、半ば自暴自棄の様になってしまって、周りに迷惑をかけるようなことをしてしまうというのは、結果的に絶対にあなたのためにならないばかりか、その後の社会人人生にも暗い影を落とし続けることに繋がってしまいます。

いざ会社を辞めると決めたなら、あくまで冷静に、円満な形で退職できるように手続きを進め、それでいて自分が受けられるべき利益に関してはしっかりと確保できるように予習等を含めた準備をしておくという姿勢が非常に大切です。

新しい道へ進むと決めたからには、気持ちよく会社を去り、その先の明るい未来へと歩んで行ってもらえればと思います。

今回ご紹介した内容が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。

それでは。

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