転職テクニック集

『退職届』と『退職願』の違いとは?「意味と書き方」あなたが用意すべきもの

「退職届」と「退職願」の間にある違い、あなたは説明できますか?

映画やテレビドラマ、漫画などの世界で時折見かける、”会社を退職しようとする登場人物が、上司に向かって封筒を渡す” というシーン。

あのシーンで、登場人物が上司に渡しているものは、「退職届」でしょうか?それとも「退職願」?どちらでしょう。

そんなことを言われても、はっきりと覚えてませんよね。

今回はこの「退職届」と「退職願」の違いに関するお話です。

「退職の意思」を書面で示す場合には、どのような形が適切なのか、また、どのように準備を進めればスムーズな退職が実現できるのか、そういった点について解説をしていきたいと思います。

「会社を辞めるには何が必要?」「会社を辞めたいけど、実際にはどんな準備をすれば良いのかな。」

そんな悩みを持つ方の参考になれば幸いです。

それではさっそく参りましょう。

退職のご相談は

 

”退職の意思” の伝え方「口頭」「メール」「チャット」など

そもそも、「退職の意思」というのは、「会社を辞めます。」と口頭で伝えるだけではダメなのでしょうか。

そんなことはありません。

退職したいという意思表示は、基本的には、”口頭のみ” であっても何ら問題はないのです。

正確には、退職したい側 (従業員) の「退職の”申し出”」と、それを受けた会社側の「承諾」さえあれば、「合意による退職」というものが成立しますので、必ずしも書面でのやり取り等が必要なわけではないということです。

ポイント

退職の意思表示は、”口頭” でも法律上有効とみなされる

さらに、労働者には「退職の自由」、つまり ”退職する権利” というものが民法上の権利として与えられていますので、退職の意思表示が会社に到達してから ”2週間” が経過した段階で、会社側は退職を拒否することができなくなります

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。 (民法第627条第1項)

つまり、普通の正社員が会社を辞めようと思ったら、最低2週間前に会社にその旨を伝えておきさえすれば、いつでも退職することは可能ということです。

ただし、一部の判例では、

「就業規則において、退職の意思表示は書面によるものとするとの規定があるにもかかわらず、退職の意思表示を書面にて行っておらず、口頭でのみ伝達したことに対して、当該退職の意思表示の効力は生じないものとする。」

と判断されたケースも存在します。

したがって、会社に対して退職の意思表示をする際には、まずは会社の就業規則を確認し、”書面による意思表示が必要である” と規定されていたとすれば、書面を用意すべきだと考えておいた方が良いということです。

ポイント

就業規則に「退職には事前の『”書面” による意思表示』が必要」と規定されている場合もある

また、「メール」や「チャット」などによる退職の意思表示というものも、上記の口頭のように ”有効である” ことに変わりはありませんが、これは第三者が本人になりすまして送信するということも技術的には可能となってしまいますので、その後争いが起きた場合などには少しその証拠能力は下がってしまうようです。

そうなるとやはり「”書面” による意思表示をすれば間違いがない。」と考えておくのが最も確実だということになってきます。

ただ、社内での様々な事情等により、直接口頭で退職の意思を伝えることも、書面を渡すことでさえはばかられるような状況にあるという場合もあるでしょう。(パワハラ・セクハラ等による休職中や精神疾患等)

「会社を辞めたいけど、自分ではどうすることもできない。」、そうした場合には、退職の手続きを行ってくれるサービスもありますので、一度検討してみられるのも良いかもしれません。

退職のご相談は

 

「”書面”による退職の意思表示」の意味

ということで、「退職の意思表示」に際しては、やはり書面で行うのが最も適切な方法であるということが分かったわけですが、この「”書面”での意思表示」というものには、本来どのような意味があるのでしょうか。

それは、前段でも少し触れたように、退職の意思表示が行われたという「証拠」を残しておくためです。

退職に際しての会社とのやり取りというのは、後々になって揉めてしまうことが珍しくありません。

従業員側が撤回を申し出たりして、「言った。」「言わない。」の争いになってしまったり、会社側からの慰留にあうことで、当初の退職予定スケジュールに狂いが生じてしまったりというように、不測の事態というのが起こりやすいものなのです。

ポイント

後に争いに発展してしまわないよう、”退職の意思表示” を「書面」で証拠として残しておくのがベスト

もしもあなたの会社が、人事・労務管理が非常に疎かで、適切な処理もままならないような内部管理体制になっていたとしたら、最悪の場合、会社側の都合の良いように処理されてしまうことにもなりかねません。

会社側が少しでも金銭的マイナスを抑えようと退職の期日をボーナス時期などとの兼ね合いで調整しようとしてきたり、あるいは最悪のケースでは、退職者への嫌がらせに近い形で、「有給休暇」などの従業員に与えられている権利が使えなくなるような期日で退職の処理をされてしまったり、あるいは、退職を慰留され、会社と交渉を行っている間は ”業務” とは認められず、その分の給与等報酬を減額されてしまったり、といったことが起こり得てしまうのです。

さすがにそこまであからさまに悪質なケースというのは、非常に珍しいと言えるかもしれませんが、万が一そういった最悪のケースになってしまった場合でも、「私はこのタイミングで明確に意思表示をしています。」といったことがわかる「証拠」として、”書面” による意思表示の痕跡が残っていれば、あなたが泣き寝入りせざるを得ないような状況は避けられるということになるわけです。

退職のご相談は

それではいよいよこの”退職の意思表示”のための書類、「退職届」、「退職願」についてみていくことにしましょう。

『退職届』と『退職願』の違いと『辞表』

はじめに、結論からお伝えしてしまいましょう。

「退職届」と「退職願」の違いというのは、

『退職届』退職を ”通告する” 目的

会社に拒否権なし

『退職願』退職を ”願い出る” 目的

会社が却下する可能性あり

このようなものになっています。

改めて考えてみると ”読んで字のごとく”、”そのまま” と言えなくもありません。

「退職届」は会社に対して、あなたが「退職することを決めた。」ということを”通告する=伝える”ための書類ですので、会社側が受理しさえすれば、その時点で退職が確定します。

一方、「退職願」に関しては、会社または雇用主である経営者に対して、”願う=お伺いを立てる”という書類になりますので、会社側が却下すれば、あなたの退職はなくなりますし、逆に言えば、会社側が承諾する前であれば、撤回することも可能です。

ただし、この2つには、”使い分け”が必要な部分もあります。

つまり、退職願で退職を願い出ることで、まずはあなたの退職の意思を会社側に伝えます。そして、あなたと会社の両者が合意できた時点で退職届を提出するというのが最も理想的な形と言えることになるわけです。

いくら労働者側には民法上いつでも会社を辞める権利が保証されているとは言え、現実的な手続きとして、残務整理や日常業務の引継ぎ、あいさつ回りや身の回りの整理等を考えたら、突然会社に退職届を提出し、有無を言わさず2週間きっかりで会社に来なくなるというのは非現実的です。

言い方は悪いですが、今すぐにでも代替の効くような単純な仕事 (例えば流れ作業や形式的な事務処理など) をしている場合であれば、急に退職届を突きつけて、有給消化の権利を主張し、そのまま会社に来なくなったとしても、会社側の影響は軽微で済むかもしれません。

ですが、薬剤師であるあなたには、社内における役割として、それ相応の責任というものが当然あるはずです。

病院や薬局で調剤業務をしていようが、研究職であろうが、MRとして営業回りをしていようが、関係ありません。各業務で、各職位でそれぞれが背負っている責務というものは、あなた個人に帰属するものではなく、会社組織の中における”重要な役割”としてのものなのです。

その責務を最後まで全うすべく、実際に退職するその日まで、社会人として後ろ指をさされるようなことが無いように行動するということがとても大切です。

この記事の前半では、口頭やメール等でも、その意思表示(申し出)と会社側の了解(承諾)があれば、その(会社を辞めるという)契約は成立するというお話をしましたが、やはり可能な限りは”円満退社”を目指すべきだというのは改めて言うまでもありません。

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円満退社とは、あなたも会社も納得した形で、気持ちよく会社を去ることができる状態ということです。

そういう意味で言うと、お互いの納得を得られる形での退職を成し遂げるという面において、必ずしも当初のあなたの退職の意思表示の段階で「退職願」を用意する必要はないかもしれません。

つまり、上司に対して「会社を辞めようと思っています。」「退職することにしました。」という旨を、ある程度時間に余裕を持って伝えることで、十分にスムーズに退職の手続きを進めていける場合も多いからです。

問題は、会社 (=上司) とのコミュニケーションもままならない様な状況で、自分の退職の意思を伝えなければならないといった場合です。

そういった場合は、やはり前述のような「退職手続きを相談できるサービス」なども積極的に活用すべきでしょう。

退職のご相談は

ちなみに、退職を申し出る書類としてイメージするものの 1つとして、「辞表」を思い浮かべた人もいるかもしれません。

この「辞表」というのは、「雇用関係のない人が、その役職を離れるという意思表示をする際に提出するもの」になります。つまり、社長や取締役など、会社との雇用関係のない人たちが自分の退職の意思を表明するために提出するものなのです。

したがって、あなたがもし薬剤師でもあり、その会社の役員も兼務しているといった場合などであれば、「辞表」の方が適切だということも考えられるかもしれませんが、一般的にはやはり「退職届」や「退職願」を用意するということになるでしょう。

ワンポイント 『辞表』とは

『辞表』とは、会社との雇用関係のない人、つまり ”役員” などの職務にある人が、自分の「職を辞する」という意思を伝えるためのもの

最後に、それぞれの書き方について解説したいと思います。

「退職届」「退職願」の書き方

まずはじめに、「退職届」も「退職願」も書式(書き方)はほぼ同じです。

ただ、本文の内容として、前述の通り、「退職を通告する」ものと「退職を願い出る」ものの違いがあるというだけになります。

具体的には、

このようになります。

このままのフォーマットで、〇△□の部分を書き換えて提出すればOKです。「退職届」ではなく、「退職願」の場合は、”届”の部分を”願”とするだけです(封筒の表および本文の表題部の両方)。

退職届や退職願についていろいろと調べてみると、微妙に文言が違っていたり、改行位置が異なっていたりしますが、「こうでなければいけない。」というような絶対的な”正解”といったものが存在するわけではありませんので、細かいことはそんなに気にする必要はありません。

なお、「封筒」および「便せん」については、百円ショップ等で売られているもので全く問題ありませんが、柄の入ったものや色のついたものは避けるようにしてください。本文を書く用紙の”罫線”はあってもなくても構いませんが、封筒・便せんともに”全くの無地(色は白)のもの”が最も無難と言えるでしょう。本文を記述する用紙サイズは「A4」で、それを「三つ折り」にし、「長形3号」の封筒へ入れて提出します。

また、封筒、本文ともにPC等で作成して「印字」されたものではなく、「手書き」で書くようにします。

「遺言書」など、本人の意思を明確にするための書類は、偽造・変造を防止する目的で、「自書(自筆)」が基本となっており、印刷されたものは”無効”です。退職届や退職願を誰かが書き換えたりするということは考えにくいですが、自らの意思を表明する大切な書類として、最後まで誠意をもって対応するという姿勢を表すためにも、ここは手書きで用意するようにしましょう。

字のうまい・下手は全く関係ありませんが、明らかに”適当に書かれた感”のあるものや、”殴り書き”のような文字はやはりあまり印象の良いものではありませんので、スマートに退職するためのツールとして出す書類という意味でも、せめて気持ちを込めて書くということぐらいは心掛けるようにしてください。

まとめ

「退職届」と「退職願」それぞれの意味の違い、提出する意義などについて一通りお話してきましたが、イメージを掴むことができたでしょうか。

会社を辞めるにあたって、ファーマンは、常に”円満退社”を目指すことが大切であるとお話しています。

それまでの仕事上のわだかまりや揉め事等によって、退職時には芳しくなかった会社や上司との関係も、最後になんとか歯を食いしばって”円満に”別れることによって、後々のあなたの人生に活きる人脈となってくることも十分に考えられますし、一時的にお互いに感情的になっていたとしても、後に笑い話になるなんてこともよくある話です。

そして何より、最後までいがみ合って退社するよりも、自分がグッとこらえて”美しく去る”ことで、辞めた後の次のステージへも気持ちよく進むことができるのです。

「立つ鳥跡を濁さず」

会社を辞めると決めたなら、常にそれを意識しておくことをおすすめします。

それでは。

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